2025.01.15
最終更新日 2024.04.25
【最新/補助金/GX】子育てグリーン住宅支援事業で新設されたGX志向型住宅とは?
「子育てエコホーム支援事業」の後継事業として『子育てグリーン住宅支援事業』が報道発表されました。2024年11月22日「令和6年度補正予算案」の閣議決定により始まる本事業の新築+リフォームの総予算は2,250億円規模。前年度から150億円程の増額で始まる予定です。子育てエコホーム支援事業に申請が間に合わなかった物件であっても、条件によっては申請も可能になる他、今年度は新たな申請枠が設けられました。前回の子育てエコホーム支援事業と決定的に違う“省エネ”への取り組み強化が見える2025年度。今回の事業の対象物件や申請開始時期?など、疑問点も多いと思いますので順にまとめていこうと思います。(本コラムでは新築部分を取り上げています)
子育てエコホーム支援事業からの変更点は?
【ポイント】条件次第では全世帯が対象になる!若者・子育て世帯限定の支援も継続だが・・・
「GX志向型住宅」が新設!補助額なんと160万円!
まずは新設の「GX志向型住宅」を申請するために必要な条件について確認です。
①「断熱性能等級6」以上<※1>
②再エネを除き設備による削減率が35%以上を達成<※2>
③再エネを算入し、最終的に削減率100%以上を達成
<※1>UA値=0.46以下(「6地域」の例)
<※2>換気・冷暖房・給湯・節湯水栓・照明の削減率
35%以上 = BEI 0.65以下
以上が、「GX志向型住宅」の性能基準の条件になります。現在時点では、それ以上の詳細(性能値以外の条件等)が不明です。詳細が発表され次第、随時更新させていただきます。ただ、一つ目玉の内容としては今回補助額が「160万円」という補助額設定(一戸あたりの加算無しの補助額総額としては過去最大級ではないでしょうか。)となっている点と、『若者・子育て世帯』向けの補助金ではなく、「GX志向型住宅」につきましてはこれから出てくる申請条件含めクリアしていることが前提ではありますが、世帯の制限なく補助金申請が可能である点は大きなポイントですね!
若者・子育て世帯への支援枠は継続するものの補助額は前年度比で大きく減少!
『こどもみらい住宅支援事業』から始まり『こどもエコすまい支援事業』『子育てエコホーム支援事業』と、計3年度にわたって支援しております「若者・子育て世帯<※>向け」補助制度は今年度も同様に展開されています。しかし今回の『子育てグリーン住宅支援事業』では、補助額が大きく減少しています。長期優良住宅は前年度比20%減の「80万円」に、ZEH水準住宅に至っては前年度比50%減の「40万円」となっています。その為、ZEH水準に取組むのではなく、「長期優良住宅」や「GX志向型住宅」への取組みへの支援強化に舵を切ったと言えるでしょう。
■建築主とその家族が、次のいずれかに該当する必要があります。
- 子育て世帯:R6年4月1日時点 18歳未満のお子さまを有する世帯
▶平成18年4月2日以降出生
- 若者夫婦世帯:R6年4月1日時点 ご夫婦のいずれかが39歳以下である世帯
▶昭和59年4月2日以降出生
分譲住宅や賃貸住宅でも補助金申請が可能!
分譲住宅は申請条件が緩和されたため活用率が上がる!
例年、分譲住宅でも補助金自体は対象でしたが『「買主」が付いて「売買契約」を結ぶ』ことが条件だった為、申請受付期間内に契約・清算が終えられなければ補助金申請の取下に…売出し期間的に条件が厳しい…このような申請案件も多くみられていたかと思います。なかなか建売物件を申請する労力に対する補助金享受確立を鑑みると難しいのが正直だったのではないでしょうか。しかし今年度は、建築事業者(ハウスメーカーや工務店)が「性能条件に適用する住宅を〇棟建てるので、〇棟分の予算をください」という形で、買主が付く前に補助金交付申請が可能になりました!これは分譲住宅に取り組む事業者様には大きな追い風だと思います。
※各事業者ごとに「毎月○○棟まで」という形で制限はある予定ですが、それを踏まえても今までの事業条件と比較すれば充分に取り組みやすくなっています。
新たに「賃貸住宅」が補助金申請の対象に加わる
今年度より、新たに『賃貸住宅』も申請できるようになっています。(⻑期優良住宅の取得もしくはZEH水準をクリアが条件)対象となるのは「床面積50㎡以上」かつ、「子育て世帯等に配慮した安全性・防犯性を高めるための技術基準に適合する」住宅で、1事業者あたり、賃貸住宅⼾数の50%までが対象となる見込み。新築時〜入居者募集3カ月間は「入居世帯が子育て世帯」であることが条件で、入居者募集から3カ月経過後は入居者世帯に制限はなくなり世帯条件に関係なく申請が可能に。
※対象要件の詳細含め、追情報待ち
※家賃設定は補助金取得に伴い、「子育て世帯等」を配慮した金額設定にすることが要件に
補助金申請を検討する際の注意点
補助金申請の注意点①~予算消化率~
「子育てグリーン住宅支援事業」ではGX志向型住宅が新たに加わります。なんといってもGX志向型住宅の補助額が「160万円/戸」の為、各事業者様の取り組みによって左右はされますが、GX志向型住宅に積極的に取り組む事業者が増えれば増えるほど、比例して「子育てグリーン住宅支援事業」の新築予算の消化率は上がっていくと予想されます。その為、スケジュールや申請できる条件などを予め調整の上、最短で補助金申請を進めていただくことをお勧めします。
さらには今回「分譲住宅」の申請条件も緩和されている他、賃貸も対象となっています。全体(注文・建売・賃貸)の申請件数は例年と比べても増えると予想できますので、その点からしても早期に終了してしまう可能性が十分に考えられます。予算消化率の推移には注視していく必要がありますね。
補助金申請の注意点②~立地条件が厳罰化!~
「子育てグリーン住宅支援事業」では、補助金申請が可能な住宅の立地区域がより厳罰化されました。前年度「子育てエコホーム支援事業」では『①市街化調整区域+②イエローゾーンor浸水想定区域』に該当していた場合は、『半額』にはなってしまうものの補助金自体の申請は可能でした。しかし、今年度の「子育てグリーン住宅支援事業」では半額措置もなく、該当してしまった場合は原則『補助金申請対象外』になってしまいます。その為、必ず計画時には立地区域の確認を取るようにしましょう!詳細は、改めて要項の告示等が発表され次第、随時確認して反映していきます。
※危険区域や警戒区域内に建築計画をし、制限解除等の申請を行った場合でも、立地区域の条件には該当してしまいますので制限解除したから補助金申請の対象となるわけではございません。
※レッドゾーン区域絡み(①~③)の物件は、もともと補助金申請の対象外になります
①土砂災害特別警戒区域
②災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域or 地すべり防止区域が重複している区域のいずれか)
③「立地適性化計画区域内で居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン」で建設されたもので、3⼾以上の開発⾏為によるもので、市町村⻑の勧告に従わなかった住宅
まとめ
今回の「子育てグリーン支援事業」の概要いかがでしたでしょうか。ZEH水準住宅につきましては補助金が大きく減額となり、いよいよ『ZEH基準の家=当たり前』になりつつありますね。そして目指す先として『GX志向型住宅』が新設され、より“省エネ”への取り組みは加速していくと思います。お施主様の省エネ関心もどんどんと加速していくことも予想されますので、この流れに置いていかれぬようにしたいですね!引き続き、募集要領の告示等、追加情報がでてきましたら更新してまいります。
太陽光・蓄電池・V2H対応の工務店を今すぐ見る
常時開催中のイベントはこちら
いえすたいる編集部
KAKUTO
最近は「洋服(特に裏原系)」と「kpop」にハマっています! 息抜きにする「読書(主にミステリ小説)」もちょっとしたマイブームです。 これから家を建てる皆様へ、少しでもお役に立てる情報発信を 私自身も日々勉強しながら更新してます!