2022.05.25
【住宅/補助金】令和4年度地域型住宅グリーン化事業 Vol.2 10月からは全ての枠がZEH水準?わかりやすく解説します!
令和4年度地域型住宅グリーン化事業では、昨年度までとは異なり、10月1日からの、長期優良住宅・認定低炭素住宅の『ZEH水準化』、ZEH住宅・ZEH水準住宅の『耐震性による優先配分』という新たな注意点ができました。
また、補助金額については、最大190万円/戸と、例年とかわらずの大きな金額となっています。
補助金の最新情報を知り、今後の家づくりのお役に立てたら幸いです。
令和4年度の補助金枠
令和4年度グリーン化事業補助金の住宅種別ごとの補助金額ですが、上の表の通りです。
性能向上計画認定住宅は補助金の対象より廃止となり、長期優良住宅・ゼロ・エネルギー住宅・認定低炭素住宅の3本立てとなります。
長期優良住宅の『ZEH水準』枠、ゼロ・エネルギー住宅の長期優良住宅対応、認定低炭素住宅の『ZEH水準枠』など、令和4年度で初めて創設された補助金枠について、わかりやすく説明できればと思います。
補助額や加算額についてわかりやすく解説した記事はこちら
【2022年/住宅/補助金】令和4年度地域型住宅グリーン化事業 Vol.1 最大補助金190万円に!
ZEH・ZEH水準の物件については、『耐震等級』別に枠が優先配分!
上の表にもあるように、ゼロ・エネルギー住宅と認定低炭素住宅(ZEH水準)では、【A】【B】のように、2つに枠が分かれているのが特徴です。
耐震等級2以上(等級2,3)および、構造計算を行っている物件が【A】、通常の基準法での壁量計算しかしていない、最低ラインの耐震等級1水準が【B】です。
今までは耐震性(その名の通り、地震にどれだけ住宅が耐えられるか)を省エネ補助金で問われることがなかったのですが、令和4年度より耐震性別に、枠が配分されることになりました。
【A】の補助金枠を優先的に配分し、【B】は余剰分の予算を充てるという風に発表しています。その為、【B】に該当する耐震等級1水準では、補助金がもらえない可能性があります。
※次章で、耐震性が問われることになった経緯をご紹介します。
長期優良住宅・認定低炭素住宅に『ZEH水準』枠が誕生!
2022年10月1日より、長期優良住宅・認定低炭素住宅の省エネ基準が『ZEH水準』に引き上げられることから、グリーン化事業においても、2つの省エネ水準の補助金枠が出来ることになりました。
図の通りで、9月末までは現行水準・ZEH水準の枠のいずれかを選ぶことができますが、10月1日からはZEH水準の枠のみとなります。
補助金額が異なるほか、行政への認定申請のタイミング等も注意が必要でしょう。
認定水準引き上げについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご覧下さい。
【省エネ住宅/ZEH水準】2022年10月より認定水準引き上げ改正に!~長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH(ゼロエネ)はどれを選択すべき?~
そもそもZEHとは? 詳しく知りたい方はこちら
光熱費0を目指すZEH(ゼッチ)にするには?Vol.1~メリット・デメリットをわかりやすく解説~
『耐震等級』別に枠が配分されることについて
国土交通省の調査結果 『高断熱化=重量化により、家の耐震性を高める必要がある』
(画像 令和4年度地域型住宅グリーン化事業 募集要項 http://chiiki-grn.jp/home/application/tabid/287/index.php )
国土交通省より発信された資料をご紹介します。
『ZEH』等のように、省エネ性能を上げることで、断熱材やサッシ、太陽光発電システム等の重量が増す(=危ない)ことが明らかになってきました。
それに伴い、耐震性の最低ラインといえる『耐震等級1』水準では、大きな地震が生じた際に住宅に危険が及ぶのではないかと考えられています。
その為、将来的にはZEH水準の住宅を建てる場合『耐震等級3』が必要になるといったルールができるかもしれません。
今年度はまだ準備段階の為、国としては、あくまで『耐震性能の高い』『耐震検討を比較的行っている』物件を優先に補助金を配分する、という結論に至りました。
耐震等級2以下の場合、将来基準を満たさなくなる可能性も
(画像 令和4年度地域型住宅グリーン化事業 募集要項 http://chiiki-grn.jp/home/application/tabid/287/index.php )
住宅の耐震等級別に『補助金枠の配分』や『建築主への説明』等が定められています。
『建築主への同意取得』とは、来年もしくは数年後に、ZEH住宅に必要な耐震等級が定められた際、耐震等級2以下では基準を満たさなくなる可能性がある、といった内容です。
住宅が重くなり、地震へのリスクが高まっていることは確かですので、なるべく耐震性能の高い住宅を目指す必要があるでしょう。
耐震等級の検討方法について
耐震等級の検討ですが、次の3つのルートがあります。
(1)建築基準法 仕様規定による計算 ※耐震等級2以上の取得は不可能
(2)住宅性能表示制度による計算
(3)許容応力度計算 いわゆる『構造計算』と呼ばれるもの
基本的には大部分の住宅は(1)でしょう。
(2)の計算において、耐震等級2以上の検討をすることは可能ですが、細かい構造計算まではかけてはいません。
※長期優良住宅では耐震等級2以上が必要な為、(2)もしくは(3)の計算が必要となります。
(3)の計算が、最も細かく耐震性を検討することができます。
※(2)の計算は、仕様規定のように早見表のようなものが存在することから、条件に該当しない場合は、(3)の構造計算を行う必要が出てきます。
耐震について詳しく知りたい方は次のコラムをご覧ください。
【耐震性/等級/木造】耐震等級3とは?省エネ住宅の推進で見直される『住まいの安心と安全』
間取りや住宅の形状を決める段階で、耐震等級の検討が必要に
省エネ性能は外皮計算や一次エネルギー消費量計算で求めますが、耐震性についても、上の(2)や(3)の検討を行っていきます。
耐震検討の対象となるのは、間取りや住宅の形状、木の種類(樹種)など、建て始めてからでは容易に変えられない部分です。
予め耐震検討を視野に入れて、間取りなどを考えていく必要があるでしょう。
注意! (3)構造計算は精緻な検討ができますが、数十万円の追加コストがかかることも
まとめ
令和4年度グリーン化事業の大きな変更点について2点お伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
住宅の省エネ性や耐震性といった『性能』はなかなか費用の割には目に見えにくいものではありますが、快適性や安心など、非常に価値の高いものでもあります。
今後の家づくりの参考になれれば幸いです。
お読みくださいまして、ありがとうございました。
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いえすたいる編集部
のぶりん
鉄道・飛行機・旅行の大好きな「のぶりん」です! 住宅の省エネや申請等に携わっています! 工務店の魅力を広くお伝えできるよう日々頑張ってまいります!