2022.04.28
最終更新日 2024.08.15
【省エネ住宅/ZEH水準】2022年10月より認定水準引き上げ改正に!~長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH(ゼロエネ)はどれを選択すべき?~
2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、令和4年10月1日より『長期優良住宅』『認定低炭素住宅』などの認定住宅の認定基準引き上げ(基準の見直し)が施行されました。10月以降認定住宅を建てる場合の基準値はどう変わったのか。今回のコラムでは、至る2050年、カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向け、『ZEH(ゼッチ)』を含めてどの住宅を選択するのが良いのか。認定住宅の水準がどのくらい引き上げられたのか。まとめてみました。
2022.9月までの基準値はどのくらい?10月以降はどうなった?
※UA値とは・・・外皮平均熱貫流率と呼ばれ、住宅の「床、外壁、屋根(天井)やドア・窓など(総じて外皮)」から逃げる熱量(熱貫流率:U値)を、外皮の面積で割った値(Average)です。 値が小さいほど「熱を伝えにくい」ということなので、省エネルギー性能が「高い」ことがわかります。主に『断熱材』『サッシ』『ドア』の性能で評価されます。
長期優良住宅・認定低炭素住宅の新基準「0.60以下」にするということは、「断熱材の種類や厚み」「サッシの性能」「ドアの性能」等をあげる必要があります。ただ、旧基準である今までの「等級4」は現在先進国の中でも最低ランクです。より快適な生活を送るためには、等級ギリギリではなく、それ以上の性能に投資することもご検討してみてはいかがでしょうか。外皮性能値が出たら、次は『一次エネルギー消費量計算』にすすみます。
一次エネルギ消費量は「地域」や「住宅の間取り」で基準値が変動
まず『一次エネルギー消費量』は、『基準一次エネルギー消費量』と『設計一次エネルギー消費量』を比較することで求めることができます。計算に必要なのは「冷暖房設備」「換気設備」「給湯設備」「照明設備」です。
家電製品はそれぞれの家庭で使うメーカーや性能が違うので計算には該当しません。
「基準一次エネルギー消費量」は建設地や床面積、外皮性能値(UA値)、上で挙げた一般的な住宅設備をもとにして数値が計算されます。ここでひとつ、建設地や床面積、外皮性能値(UA値)によって、住宅ごとに「基準一次エネルギー消費量」は変動するという点には注意です。次に、「設計一次エネルギー消費量」です。こちらは外皮性能値(UA値)+「冷暖房設備」「換気設備」「給湯設備」「照明設備」各設備のカタログ性能値で計算されます。そして最終的に、「基準≧設計」の構図をつくり、その削減率を計算します。2022.10月以降、ZEH水準に引き上がりましたので最低でも20%以上の削減が必須となります。
『断熱』『一次エネルギー』に関するコラムも併せてご覧ください!
【2024年最新・茨城】『断熱等性能等級』『一次エネルギー消費量等級』 ~住宅の省エネ基準についてわかりやすく解説します~
『長期優良住宅』『認定低炭素住宅』『ZEH』3住宅の水準は同じに
認定住宅の水準引き上げに伴い、3住宅とも基準値は同水準となります。3住宅ともに補助金や減税措置優遇がありますが、それぞれの住宅は認定基準が違います。
①長期優良住宅
基準1:住宅の構造及び設備について長期にわたり良好な状態で使用可能な措置が講じられていること。
基準2:住宅の面積が良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
基準3:地域の居住環境の維持・向上に配慮されたものであること。
基準4:維持保全計画が適切なものであること。
この基準を達成するための、細かな9つの技術的基準があり、それぞれを満たす必要があります。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
『認定長期優良住宅』とはどんな住宅?認定基準は?条件は?
なぜ長期優良住宅がいいの?性能基準の改正?メリットはあるけどデメリットは?
2022年10月より耐震性の基準も改正
長期優良住宅の耐震要件では、『住宅性能表示制度(壁量計算)』もしくは『許容応力度計算』で耐震等級2以上を取得する必要があるのですが、2022年10月以降は、前者の計算方法で取得する場合は「耐震等級3」を取得する必要があります。詳細は下記コラムをご参照ください。
※太陽光発電設備を搭載する場合は、「重い屋根」仕様で耐震等級を取得する必要があります。
2025年4月施行!待ったなし!性能(+耐震)の悪い家はもう建てられない?~『耐震等級3』のすすめ~
【耐震性/等級/木造】耐震等級3とは?省エネ住宅の推進で見直される『住まいの安心と安全』
②認定低炭素住宅
実際に設けられている基準に「定量的評価項目」と「選択的項目」があります。
「定量的評価項目」は必須であり、「選択的項目」は8種のうち2種以上を講じる必要があります。(2022.09月まで)
長期と同じく「認定住宅」ですが、こちらは「市街化区域内のみ建築可能」という制限があります。
2022年10月以降、太陽光発電設備の搭載が選択項目から「要件化」へ
太陽光発電設備の搭載が要件化され、選択項目からは「2項目以上」⇒「1項目以上」に変更されました。
「脱炭素社会」で推進される「認定低炭素住宅」とは?
③ZEH:ゼッチ(ゼロ・エネルギー・ハウス)
上記2つの住宅と比較した際、大きく変わる点として『太陽光発電設備』を搭載し、100%の一次エネ削減を達成することが義務であることが挙げられます。
基準1:UA値0.4~0.6以下をクリアする(※水戸市は0.6以下)
基準2:基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量の削減
基準3:再生可能エネルギー(太陽光発電設備)の導入
基準4:太陽光発電量と差し引きし、基準一次エネルギー消費量から100%の一次エネルギー消費量を削減
ZEH住宅とは?ゼロエネ?ZEH水準?太陽光を搭載し光熱費を減らしてお得に生活できる家!
『ZEH』の評価は『BELS評価書』によって証明できます。また、自分の家がどれだけ省エネ住宅であるかの指標にもなりますので、取得されることもお勧めします!
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【新築/注文住宅】太陽光発電設備初期費用「0円」のPPAモデルとは?導入はおすすめ?メリットやデメリットは?
省エネ住宅(長期・ZEH・認定低炭素)補助金を取得することも可能
若者・子育て世帯であれば「子育てエコホーム支援事業」が検討可能
住宅省エネ2023キャンペーンの続報が発表!長期優良住宅であれば最大100万円/戸、ZEH水準であれば最大80万円/戸の補助金がもらえます!詳細はこちらのコラムをご覧ください。
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【茨城/新築/子育てエコホーム】長期優良住宅・ZEHのポイントを解説
更に高性能な住宅への補助金支援もあります「LCCM住宅」
「LCCM(エルシーシーエム)住宅整備推進事業」で最大140万円の補助!
LCCM住宅は先述した「長期優良住宅」「ZEH」を組み合わせてスケールアップさせた住宅です。LCCM住宅は低炭素社会に向けた省エネ住宅の最終目標に位置付けられている住宅です。どんな住宅なのか?補助金の内容は?などなど、こちらも下記コラムをご覧ください。
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【R6年度/新築最大140万円/補助金】LCCM住宅補助金についてまとめてみました(交付申請 編)
【R6年度/新築最大140万円/補助金】LCCM住宅補助金についてまとめてみました(実績報告 編)
住宅ローン控除限度額にも影響あり!
長期優良住宅・認定低炭素住宅は限度額がZEHよりも1000万円差がある
2024年1月以降、住宅ローン減税を受けるためには少なくとも「省エネ適合」を受ける必要があります。また、『長期優良住宅』『認定低炭素住宅』『ZEH』ではそれぞれ住宅ローン控除限度額に差があります。詳細はこちらもコラムをご覧ください。
【2023年/茨城/新築】住宅ローン控除(減税)省エネグレード別解説!
まとめ
水準引き上げ(基準値見直し)が施行され、『長期優良住宅』『認定低炭素住宅』や『ZEH(ゼッチ)』は、いずれも国の進めるカーボンニュートラル・脱炭素社会に向けて、大きく変化しました。では実際に家を建てるとき『どれが一番いい選択なのか』を考えると、実際はお住まいになる地域だけでも大きく影響があります。太陽光発電を載せても、カタログ値に対してそもそも年間の日射量の少ない地域では、なかなか発電量を見込めないケースも考えられます。地域に根付いた工務店様ならではの寄り添ったアドバイスがあれば「エリアにあった一番の選択」も可能だと思います。いえすたいるの工務店様の相談会や見学会などを通して、是非ご検討してみてください!
いえすたいる編集部
KAKUTO
最近は「洋服(特に裏原系)」と「kpop」にハマっています! 息抜きにする「読書(主にミステリ小説)」もちょっとしたマイブームです。 これから家を建てる皆様へ、少しでもお役に立てる情報発信を 私自身も日々勉強しながら更新してます!