2021.08.31
ビルトインガレージ(インナーガレージ)のメリット・デメリット
車に限らずバイクや自転車にスケートボードやサーフボード等々、相方である乗り物が大好きな方がマイホームを建てるのであれば、ガレージハウスを検討してみてはいかがでしょうか?日々の手入れや鑑賞をはじめ、部屋のインテリアなど、アウトドア好きな方の秘密基地。今回はそんなガレージハウスのメリット・デメリットをまとめていきます。
ビルトインガレージ・インナーガレージとは?
屋根のない駐車場やカーポートが付いた駐車場とは違い、ガレージというのは四方が壁に囲まれた倉庫空間です。中でもビルトインガレージ・インナーガレージとは、建物の中に車などを駐車できるスペースを確保した住宅のことを言い、 ガレージを設けた住宅のことを俗に「ガレージハウス」と呼称します。近年の超異常気象による雨風等から愛車を守れるという観点からも、ガレージハウスは年々注目されているでしょう。
ガレージハウスのメリット
車を守れる~自然環境や犯行~
ガレージは四方が壁に囲まれているため、屋根だけついているカーポートや何もない駐車場とは違い、雨風から愛車を守ることができます。私の実家も過去にカーポートを設置していましたが、台風が直撃した際にカーポートの屋根部分がはがれてしまい、骨組みだけが残ってしまいました。今現在ではそれ以上の猛威を振るうような台風も頻繁に接近していますので、ガレージを設置しない場合は風にあおられて飛んでくる飛来物による損害等に注意が必要です。
また、雨風のほか、防犯面のメリットも魅力的なポイントですね。ロック機能もあり、ガレージはものすごく優秀な守備性能をしています。
時にはインテリアとして眺められる
ガレージと隣接する部屋の仕切りをガラスにすることによって、愛車である車やバイクなどもいつでも眺められる間取りにするのもいいでしょう。お気に入りの車を眺めながらの生活は、楽しいこと間違いなしですね。
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趣味部屋~愛車のメンテナンス作業にとどまらない多目的利用~
ガレージを趣味部屋のようにカスタマイズして好きな時に作業をして休日を過ごす。本格的なガレージは愛車への愛とこだわりが感じられますよね。ビルトイン(インナー)ガレージにすることによって、作業するときはすぐに家の中から作業場に出向くこともできます。
車に限らず、バイクにサーフボードやスケートボード、自転車などなど、いろいろな道具の作業が可能な点もいいですね。時にはDIYをしたり、生活様式の変化とともにガレージの使い方も変化させても良いかもしれません。古くなったガレージを利用してホームジムを作ったり、子供たちの自転車やアウトドア用品などの物置スペースとして活用したり、様々な姿に変化できるのも一つの強みです。
大型犬のハウスとしての活用なども考えられますし、本当にガレージは多目的に活用することができるので魅力的ですね。
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外付けのガレージよりも外観がすっきりとまとまる
ビルトイン(インナー)ガレージを取り入れることによって、外付けのガレージを設置するよりも外観がすっきりとまとまりやすい点もメリットです。また、ビルトイン(インナー)ガレージであれば車に乗り降りする際や、荷物の出し入れする際などに、家の出入りが楽な点や、雨にさらされる心配がない点も魅力ですね。
ガレージハウスのデメリット
建築コストの増加
ガレージの設置費用には、最低規模のガレージでも300万円前後がかかります。逆にカーポートを設置した場合はおおよそ50万円なのでガレージにするか、カーポートにするか、コスト増減で悩まれるでしょう。上記のようなメリットはあるものの、予算の大きな部分を占める他、外観のデザイン性など色々な観点があります。家族会議は必要不可欠ですね。
間取りに制約を受けやすい
建物1階の大部分をガレージが占めるケースがほとんどなので、居住スペースは「上」にあがり、必然的に2階建て、3階建てとなるでしょう。「キッチン」「バスルーム」「リビング」等の居住スペースは1階に設置する間取りが一般的には多いですが、ガレージハウスの設置内容によっては1階ではなく2階に設置する必要があります。
ガレージ内部の内装制限がある
ビルトイン(インナー)ガレージの住宅では、ガレージにあたる1階部分に開口部を広くとる必要があります。そのため一般的な建物よりも建物の構造上(耐力壁が少なくなるため)バランスが悪くなってしまいます。特に木造住宅の場合は、場合によってはビルトイン(インナー)ガレージを採用出来ない場合があります。また、木造のガレージの場合は不燃材料を壁や天井に取り入れるなどの「内装制限」もあります。思い描くデザインでガレージを設置することができるかどうか、建築士や設計士、建築業者の方に確認を取るようにしましょう。
必要不可欠な設備投資
換気設備
ビルトイン(インナー)ガレージ内の換気環境を良くする必要があります。ある程度密閉された空間であるため、車の排気ガスやニオイなどが溜まり易い傾向にあります。排気ガスが溜まらないような空気の逃げ道をガレージ内につくらないと、ガスがガレージ内に充満し、人体への害を被る原因となるほか、居住スペースへ充満してしまう懸念点もあります。
照明設備
オープンタイプであれば光は入りますが、シャッター等で締め切るタイプのガレージであればガレージ内は暗くなってしまいます。夜間に限らず、日常的な車の出し入れ時のほか、愛車を鑑賞したい時や、メンテナンスやDIY作業時にも照明設備が必要です。日常の出し入れ時に活躍するのはセンサー付きの照明ですが、ガレージ全体を照らすには光が少々弱いため、ガレージ内での作業用には作業灯を設置したほうが明かりが足りないなどのストレスはなくなるでしょう。
防音設備
ビルトイン(インナー)ガレージのため、建物の中でエンジンをかけることになります。車の車種やエンジンのカスタム仕様によっては、しっかり防音対策を施さないと想像以上に建物の中に音が響くでしょう。帰宅が深夜になったときなどは、家族を起こしてしまうことも考えられます。さらにガレージの上がリビングだった場合は音に加えて振動も上の階に伝わる場合があります。ガレージ周りの居住スペースの間取りもしっかりと考えて、後悔しないような間取りにしましょう。
まとめ
ビルトイン(インナー)ガレージの楽しみ方は人それぞれですね。愛車を風雨や盗難から守れるほか、趣味を楽しむ多目的スペースとしても使える大きなメリットがあります。車好きなら誰もが憧れる空間ですね。ただ、規模や内装デザイン等、こだわった分費用は高くつきますし、数百万円の費用は予算の中でも大きな部分を占めてしまいます。「本当にガレージが必要かどうか。」「どんな活用スペースにするのか。」設置する場合は「生活動線(居住スペース)はどんな間取りにするのか。」「建物の大きさはどうするか。」などなど、細かなところまで家族で話し合い、しっかりと考慮して設計しなければ、生活しづらいケースもあるでしょう。施工事例でビルトイン(インナー)ガレージを掲載している工務店であれば、ノウハウも知っていて頼りになると思いますよ!
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いえすたいる編集部
KAKUTO
最近は「洋服(特に裏原系)」と「kpop」にハマっています! 息抜きにする「読書(主にミステリ小説)」もちょっとしたマイブームです。 これから家を建てる皆様へ、少しでもお役に立てる情報発信を 私自身も日々勉強しながら更新してます!