2025.02.18
最終更新日 2024.01.31
【先進的窓リノベ2025事業/内窓設置】補助額50%相当の補助金も今年度で最後?その理由とは

2023年3月からはじまった『住宅省エネ2023キャンペーン』。継続して2年目に突入し、2024年3月からは『住宅省エネ2024キャンペーン』が始まりました。そして2025年3月から『住宅省エネ2025キャンペーン』として『先進的窓リノベ事業(窓断熱改修事業)』は3年目を迎えます。スタート当初より補助額が大きな反響を呼んでいる当事業。前回との比較をはじめ、今年度事業についてまとめていこうと思います。
先進的窓リノベ2025事業の概要

※環境省HPより抜粋
『先進的窓リノベ事業』は「住宅省エネ2023キャンペーン」で初めて導入された事業です。2024年度・2025年度と、引き続き補助事業が継続することが決定し、今年度で3年度目になります。『既存住宅(築年数1年以上経過)』が対象住宅となるリフォーム補助金です。詳細については現時点で公開されている情報にはなりますが、環境省の該当ページを下記にリンクはっておきます。公式HPが公開され次第、コラムの内容と併せて更新してまいります。

上の図で簡単にまとめると、昨年度の先進的窓リノベ2024事業と条件はほぼ変更がありません。工事着工可能対象期間にずれがあり、2025年度事業に適用する工事は「請負契約をした後、2024年11月22日以降に着工した物件が対象」ということになります。2023年度・2024年度事業同様に、2025年度も『事業者登録』をした施工業者が申請対象となります。お施主様は、まず工事をお願いする業者が「登録されているのか。」を確認していただいたうえで契約⇒工事にへと進みましょう。

※参照:2024年度キャンペーン時の検索画面
今年度も引き続き『内窓』設置がオススメ!

既存窓の内側に新しい窓を新設する
今回の『先進的窓リノベ事業』の対象工事は「外窓設置」「内窓設置」「ガラス交換」の3種類がありますが、一番コストパフォーマンスが高い「内窓設置」が、例年特におすすめとなっています。施工に係るコストが抑えられる上に、1窓あたりの補助金算出額が大きいことが一番メリットとして挙げられます。また、施工時間が短く済む点もリフォームするうえでは大きなメリットですね。
最大200万円の補助額に加えて、補助額還元率が50%相当かそれ以上にも!
昨年度補助額が下がった『内窓』は2025年度さらに減に。補助還元率には大きく影響ない?

Aグレードが大きく源でSグレード以上は微減。取り組むなら最低でもSグレードを!

一昨年度、昨年度と大反響を呼んでいた本事業。要因は『最大で200万円がもらえる過去最大級の補助金事業』である点はもちろんですが、なんといってもその『補助還元率』にあります。1窓あたりの補助率が50%相当かそれ以上と、とても還元率が大きい点が本補助金の最大の魅力です。
しかし、昨年度の『先進的窓リノベ2024年事業』では、魅力的だった『補助率』に修正が入り、おすすめの「内窓設置」の補助率がダウンしてしまいましたが、今年度は更に補助金額が下がる結果に。「いくら最大200万円とは言え、補助率じゃあ魅力が無くなってしまったね。」と思った方もいるかもしれません。ですが、2025年度事業でも50%相当が還元されることに変わりはありません。ただ、先進的に2023年度で取り組んだ皆さんは結果的に「初年度にやっておいてよかったね。」となり、「来年以降で取り組めばいいか。」と先延ばしにした方は結果的に「初年度にやっておけば…。」となってしまいました。それでも過去の窓改修補助事業と比較すると本事業は非常に大きな補助率になっています。窓リフォームをご検討されている方へ、改めて、まだここまでの補助が出る”今の内”に窓リフォームされることをおすすめします!
3か年事業の為今年度で一区切り。現行の事業は一旦終了の予想。

引用:経済産業省【GX実現に向けた基本方針 参考資料】より
経済産業省より発表された2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ「GX実現に向けた基本方針」の中で、『2023~2025年の3年間をかけて断熱窓導入の集中的支援』を取り組む方針が2023年に発表され、合わせて始まったのが「先進的窓リノベ2023事業」になります。という事は『先進的窓リノベ事業』は2025年度をもって終了となる可能性が高いです。
ただ、完全に終わってしまうというわけではなく、2026年度からは更なる高性能の断熱窓を含めた建材に対しての支援が公約されておりますので、今後も『省エネ』設備に対する支援は強化されていくでしょう。なのでくどいようですが、現行水準で補助金を取得しながら窓改修を図りたいとお考えの方につきましては、おそらく2025年度が最終年度になりますので、今の内に取り組んでいきたいですね!
YKKAP・LIXILの専用サイトで補助額のシミュレーションができる
内窓対象製品でも代表的なものはYKKAPの『プラマードU』とLIXILの『インプラス』(※)かと思いますが、それぞれの色・質感の具合や、各社が提示する窓のオプション機能から、家の雰囲気にあった方をご選択されるのが良いかと思います。また、2社それぞれ補助金算出シミュレーションサイトがあります。お時間ある際に、内窓設置でどのくらい補助金がもらえるのかイメージをつかんでみてはいかがでしょうか?
※「プラマードU」「インプラス」ともに性能は『Sグレード』
YKKAP:窓・ドアリフォーム省エネ補助金ナビ
LIXIL:窓リフォーム省エネ補助金シミュレーション
窓の性能を良くするメリット(内窓設置)

ここまで『先進的窓リノベ事業』を内窓をメインに紹介させていただきました。ではそもそもなぜ「窓の改修」を勧めるのか。ここからは「窓」が与える影響(改修することによるメリット)についてまとめていきたいと思います。
断熱性能におけるメリット
夏の暑さ・冬の寒さ問題への対策
まずは断熱性能の向上メリットです。夏は熱の6~7割が「窓」から入ってきます。(※ちなみに冬は「窓」から5~6割の熱が、家の外に逃げていきます。)そこで、内窓を設置することで窓を二重にする。既存窓と内窓の間に「空気層」を作ることによって、熱伝導を抑え、屋内外への熱の移動を抑えます。また、内窓自身も『樹脂素材』を採用している為、アルミ素材よりも熱伝導を抑える<※>役目を果たします。
<※>夏は「家の外の熱が家の中へ入ってくるのを抑制(断熱)」し、冬は「家の中の熱が家の外へ出ていくのを抑制(断熱)」します。「樹脂窓」の方が断熱効果が高い理由として「アルミ製のコップ」と「樹脂製のコップ」に熱湯を注いだ場合の効果が分かりやすい例ではないでしょうか。「アルミ製のコップ」は、すぐ持てないほどに熱くなってしまいますよね。アルミ製の方が「よく熱が伝わりやすい(樹脂と比べ断熱性能が低い)」ということです。
そして特に影響が大きいのは、家の南面に設ける窓になります。熱の6~7割が窓から入ってくるのですが、なんと6~7割のうちの5割は南面窓から入ってくるのです。もし部分的に改修(内窓設置など)をご検討される場合は、まずは南面窓の改修計画をおすすめします。
冷暖房費用の削減
内窓設置による断熱性能の向上が見込めると家計への影響はどうでしょうか?エアコンの効きがよくなり、温度変化が穏やかになれば冷暖房設備の稼働効率を上げることが出来ます。結果的に年間の電気代削減(省エネ節約)のメリットが生まれます。電気代が高騰する今日の生活を考えるととても大きなメリットだと思いませんか。
結露への対策
既存窓と内窓との間に「空気層」ができるおかげで、外気の影響をうけにくくなります。また、内窓の室内側が樹脂製なので熱を伝えにくい為、断熱性能とともに、結露の発生を大きく抑えることが出来るでしょう。
生活におけるメリット
遮音・防犯性能
内窓を設置することで既存窓と内窓に間に空気層が生まれ、遮音性能が高まります。電車が通るたびに気になる…。家でこどもが騒いでいて近所迷惑で注意されないだろうか…。などの心配も半減されるほどの効果を感じられるでしょう。また、既存窓と内窓それぞれロックをかけられるので窓からの侵入リスクを2重で対策することが可能になります。
実際に補助金活用をして窓改修(内窓設置)をされた方の声

過去、補助金(先進的窓リノベ2023事業)を活用して「内窓」を設置した方の感想を掲載するのがリアルだと考え、紹介をいただき取材を行いました。
内窓の効果を一番感じたのはどこかお伺いしたところ、
「一番は外の音が気にならなくなったこと。遮音できたことで、テレビの音も聞こえやすくなった。」
「入浴中、外を歩く人の話し声が聞こえることが気になっていたけれど、それがなくなった。」
と、『遮音効果』を一番感じていました。その他にも「結露しなくなったこと」や「ファンヒーターを付けると、外窓と内窓の間に設置した温度計と室内温度計の温度差が10℃もあった」など、『結露対策』や『断熱効果』も実感していました。お施主様曰く、夜勤の方がいるお宅・線路沿いのお宅・交通量の多い道路沿いのお宅 等は、特に設置がおすすめではないかと語ってくれました。実際に今回取材をさせていただき、内窓の『遮音性』を肌で感じることができましたし、私自身『断熱効果』を一番感じているだろうと思い込んでいたこともあり、『遮音効果』の効力は、あまり周知されていないだけにとても有意義な体験となりました。
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まとめ
さて『先進的窓リノベ2025事業』と『「内窓設置」のメリット』の紹介をさせていただきましたが、いかがでしたか?内窓設置はコストパフォーマンスも良いですし、ついでに遮音性能や結露対策、防犯対策と+αのメリットもついてきます。2025年度がひとまず現行事業の最終年度になる可能性が高いため、この機会に是非検討されてみてはいかがでしょうか。(高性能化が進み、どんどん補助金取得のハードルも上がっていくかも・・・。)総予算額に限りがある事業なので、本補助金制度を検討して窓改修を図りたいと少しでも感じた方は、いえすたいるの工務店様へお早めにご相談ください!
【引用②】LIXILインプラス:6つのメリット
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いえすたいる編集部
KAKUTO
最近は「洋服(特に裏原系)」と「kpop」にハマっています! 息抜きにする「読書(主にミステリ小説)」もちょっとしたマイブームです。 これから家を建てる皆様へ、少しでもお役に立てる情報発信を 私自身も日々勉強しながら更新してます!