2023.08.04
最終更新日 2025.06.26
省エネ住宅で快適に過ごすカギは「窓」と「太陽光発電」にあり! vol.1
昨今の夏の特徴はなんといっても連日続く『猛暑』。毎年のように「気温も平年よりも高めの予想」とニュースで見かけ、「冷房」による暑さ対策が必須ではないでしょうか。そうなると気になるのはなんといっても『電気代の高騰』だと思います。暑さ対策と節電対策。省エネ住宅に住んで、快適な温度で電気代も抑えられる、そんな住宅を目指すためのポイントとして「窓」と「太陽光」に着目しました。Vol.1の今回は「窓」についてお送りいたします。せっかく省エネ住宅に住んだのに...と後悔しないよう、ご参考になれば幸いです。
「省エネ住宅」は2025年より適合義務化(基準値)に!
2025年4月から省エネ基準が適合義務化となり、住宅を含むすべての建物の性能は最低でも『「省エネ住宅」性能』にする必要があります。省エネ住宅にするためには「外皮計算(断熱材・窓)」と「一次エネルギー消費量計算(住宅設備)」が必要となります。簡単に言えばどんな断熱材や窓・住宅設備を仕様とするかで、その家の性能値が決まってくるというわけです。また、余談ですが2030年には「ZEH水準」が適合義務化になる予定です。住宅の「省エネ基準」や「ZEH水準」については、下記コラムをご参照ください。
【2024年最新・茨城】『断熱等性能等級』『一次エネルギー消費量等級』 ~住宅の省エネ基準についてわかりやすく解説します~
【省エネ住宅/ZEH水準】2022年10月より認定水準引き上げ改正に!~長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH(ゼロエネ)はどれを選択すべき?~
昨今の夏は「暑い」!!でも7割以上の方が「電気代の高騰」を気にしている
昨今の夏はとにかく「暑い」!過去2023年には国連総長が『地球沸騰化』と発言したことからもわかるように、世界的に見ても「暑い夏」が最早恒例になっています。暑さ対策としてエアコンをつける家庭が大半だと思いますし、つけないと危険ですらありますよね。そこで気になるのが『電気代』です。実際、2023年の積水ハウス 住生活研究所の調査では”自宅で過ごす上での電気代”を気にする方は「72.8%」と、7割以上の方が『「電気代」を気にする』という調査結果がでています。さて、ここで皆様に考えてみてほしいのですが、自宅で過ごす上での節電といえば何をイメージしますか?すぐに思いついたのは「冷房(エアコンの稼働時間や温度設定など)」に関係することではないでしょうか?
積水ハウス 住生活研究所の調査(2023)で、2022年の夏に暑さ対策における節電を実施した人に実施した内容を聞いた調査結果では、TOP10の内「エアコン(冷房)」に関する回答が8項目と、やはり冷房に関わる節電対策が大半を占めていることが分かります。では、実際に「断熱(暑さ対策)効果」を実感したのはどの項目なのでしょうか。
断熱効果は「窓」の対策が大きく影響した!
積水ハウス 住生活研究所の調査結果では、節電対策として実施した内容で、効果を実感した割合が高かったのは「窓」に施した対策だったことが分かります。この結果からわかるように、これから住宅を建てる方は「窓」に着目することは必須であるということが分かりますね。窓への対策を行うことが一番の節電につながるといっても過言ではなさそうです。また、既存住宅であっても、改修は少しハードルが高いので、まずは断熱シートを貼るなどの簡易的な対策を行ってみてはいかがでしょうか。
引用元:「積水ハウス株式会社 住生活研究所」による調査
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20230713/
引用元調査:「暑さ対策における節電調査 (2023年)」
<「暑さ対策における節電調査 (2023年)」調査概要>
調査期間:2023年4月7日~10日
集計対象人数:500人
集計対象:全国の20~60代の男女
既存住宅の窓改修をするなら”今”。「先進的窓リノベ事業」補助事業がすごい!
現在、『住宅省エネ2025キャンペーン』という補助事業があり、その中で、窓の改修(リフォーム)に対しての補助事業『先進的窓リノベ事業』を私はお勧めします。なぜおすすめするのかというと、過去最大級の最大200万円の補助額に加えて、補助金還元率が50%相当にもなる補助事業だからです。別コラムで『先進的窓リノベ事業』に触れておりますので内窓設置などの改修をご検討される際は是非チェックしてみてください。
【茨城/先進的窓リノベ補助金/2025】補助率50%相当も今年度で最後?その理由と申請条件を解説。
熱の出入りは『窓』が6~7割を占めている!
出典: YKKap 窓辺対策 夏の陣 あなたのお家は準備OK?
先述で「窓に施した対策」が一番効果を実感できたという結果が出たのはなぜか。それは日射熱の6~7割は「窓」から入ってくるからです。(※ちなみに冬は「窓」から5~6割の熱が、家の外に逃げていきます。)そして特に影響が大きいのは、家の南面に設ける窓になります。熱の6~7割が窓から入ってくるのですが、なんと6~7割のうちの5割は南面窓から入ってくるのです。なので南面窓の計画が非常に重要となります。では具体的にどのような対策を取るのが良いのでしょうか。
窓の外側で遮熱対策を施す
太陽光に含まれる赤外線が暑さの元凶です。なので赤外線対策が必要となります。室内側にカーテンをすることで日射を遮ることはできるのですが、カーテンそのものが赤外線の影響で熱を持ってしまいます。その為、室外側で日射を遮ることが重要となります。
ひさし・シェード・グリーンカーテンなどを設置する
ひさし・シェード・グリーンカーテンなどを設置し、日射を室外側で遮ることで日射の侵入を抑え、室内側の涼を確保するなど、住まい手の皆様が各々工夫をされるのが良いでしょう。
「高性能窓」の採用や「日射取得・遮蔽型」の併用をする
トリプルガラスや樹脂窓など、窓自身の断熱性能を高めることによる日射熱の侵入を防ぐ方法もあります。値段が高価にはなりますので、例えば特に影響力の大きい南面だけに高性能窓を採用するなども良いでしょう。また、窓のタイプには「日射取得型」「日射遮蔽型」の2タイプがあります。「日射遮蔽型」の窓を採用することで遮熱効果は高まりますが、おすすめは「日射取得型」を採用し、ひさしやシェードなどの室外側で日射を調整する工夫を施すのが良いかと思います。(冬は逆に日射を取り込むことが重要となる為。)外観などを気にされる方は、西面や東面など部分的に「日射遮蔽型」を採用するのが良いのではないでしょうか。
引用元:
まとめ
今回は「省エネ住宅」の中でも「窓」について書かせていただきました。断熱性能を求めるうえでも、実際に生活されるうえでも、「窓」が与える影響力はとても大きいということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
日当たりや風通しが良く、開放感がある、などのメリット部分がある一方で、何も考えないと断熱性能が下がり「夏に暑く、冬に寒い。冷暖房が欠かせず電気代が…」なんていうことにも繋がりかねません。
今後省エネ住宅を建てる方は計画的に窓の採用をご検討ください。また、既に建てられた方も過去最大級の補助金がある”今”のうちに、窓改修を施し断熱性能の強化を行うことで、大変お得に快適さと節電の両方を手に入れることが出来るでしょう。
次回は『太陽光発電』に着目してまとめていきます。
【省エネ住宅/ZEH水準】2022年10月より認定水準引き上げ改正に!~長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH(ゼロエネ)はどれを選択すべき?~
【子育てグリーン住宅支援事業/補助金】GX志向型住宅とは?賃貸住宅も対象?条件等と共に解説。
【新築・茨城】子育てグリーン補助金『GX志向型住宅』ポイント(1)【断熱材・サッシ条件編】

いえすたいる編集部
KAKUTO
最近は「洋服(特に裏原系)」と「kpop」にハマっています! 息抜きにする「読書(主にミステリ小説)」もちょっとしたマイブームです。 これから家を建てる皆様へ、少しでもお役に立てる情報発信を 私自身も日々勉強しながら更新してます!