2022.03.18
【R4年補助金/最大100万円】 こどもみらい住宅支援事業 Vol.2 グレード別の活用メリット

R3年度補正予算で創設された、『こどもみらい住宅支援事業』。住宅の省エネグレード別に3つの補助額が設定されました。
ZEHや認定低炭素住宅といった認定住宅には、それぞれのメリットが存在します。
断熱性能の高い省エネ住宅では、住み始めてからの快適さや安心など含め、様々な恩恵がありますので、そちらも知って頂けたら幸いです。
省エネグレード別のメリット
(1)最もオトクなのは認定低炭素住宅(性能向上計画認定住宅)?
こちらの認定住宅は、補助金額としては80万円に該当します。
こちらの認定住宅ですが、省エネ基準に少しプラスすることで基準適合となるもので、断熱材を大幅に厚くすることや、高性能設備を入れるといったことをしなくとも対象にすることができます。
省エネ基準適合の住宅では、60万円の補助金を取得することができますが、こちらは少し仕様を変えるのみで80万円の補助金を検討できるため、非常にオトクといえるでしょう。
基準達成のための 断熱・設備仕様(例)

左の図はあくまで一例ではありますが、こちらのような断熱材やサッシ、給湯器等を予定している場合、基準達成の可能性が高まります。断熱材はUA値0.60以下がZEH基準となっているため、省エネ基準に比べて性能の良い断熱材とされています。
逆に、断熱材やサッシ以外はそこまで高性能化をしなくとも、認定を取る基準に達成するといえるでしょう。
市街化区域に家を建てるなら『認定低炭素住宅』がおすすめ
『認定低炭素』と『性能向上』は、ベースとなる断熱材・サッシ・設備(給湯器など)の基準は共通です。
しかし、認定低炭素は市街化区域や用途地域といった街中に建てた住宅でしか取得することができません。
『性能向上』はどのエリアで建設しても対象となりますが、『認定低炭素』ならではのメリット(住宅取得時の一部税金が少し軽減される等)を得ることはできません。
『こどもみらい補助金』や住宅ローン控除のみを検討されている場合、両者のどちらでも良いでしょう。
『認定低炭素』について、詳しく知りたい方は、次のコラムを参考にしてみてください。

「脱炭素社会」で推進される「認定低炭素住宅」とは?
(2)補助金額100万円で、光熱費もおさえられて健康快適なZEH
『こどもみらい』で最も補助金額が大きいのがこの、ZEHです。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスと呼び、太陽光発電で使ったエネルギーを賄うことができる、といった特長があります。
太陽光を除く設備や断熱材の性能も、ある一定以上にしないといけないため、通常の住宅に比べて初期コストはどうしてもかかってしまうものです。
しかし、何十年にわたる光熱費を削減できることや、冬場も暖かく健康にも良く快適であることといった、かけがえのないメリットが魅力です。『おうち時間』を楽しめる他、暖かいことで家の中でも活発に過ごすことができるといったメリットもあります。
どのような仕様にすれば達成できる?

ZEH達成した住宅の仕様例を紹介します。平屋か2階建か、吹き抜けがあるかどうかでも異なってきますが、概ねこちらくらいの仕様は必要でしょう。
認定低炭素・性能向上の際は『天井断熱』の例をご紹介しましたが、『屋根断熱』では断熱材の厚みを稼ぐことが比較的出来、物件によってはZEH達成のために、250㎜といった厚みの施工をすることもあります。(高断熱化を進めることができます)
※赤字の箇所は、認定低炭素・性能向上の仕様例との大きく異なる箇所です。
高性能化の必要な仕様・注意点とは?
ZEH基準に満たさない場合、高性能エアコンの設置や、太陽光の枚数拡大、給湯器の高性能化なども検討していきます。
ZEH達成に必要な太陽光枚数が屋根に載らない、といったことも生じます。その際は、他の仕様の高性能化を考え、場合によっては屋根の形状を考え直すこともあるでしょう。
※注意※
床暖房や広めのリビング面積など(吹き抜けも下階床面積に含まれます)は、計算上不利な結果となりZEHにならないこともありますので、注意が必要です。
グリーン化事業補助金なら、ZEHで最大170万円まで取得可能?
『こどもみらい』でも補助額100万円と高額となっていますが、地域型住宅グリーン化事業の補助金ですと、ZEHの場合、最低125万円より取得することができます。※令和3年度

【令和3年/住宅/補助金】地域型住宅グリーン化事業とは?令和3年度は最大170万円の補助!
(3)地震にも強く、安心して長く住むことのできる、長期優良住宅
断熱は『省エネ基準』レベル しかし、耐震性や維持管理などの厳しい基準をクリア

長期優良住宅は、ZEHなどと比べて、省エネ性以外にも高い性能を持つのが特長です。
左の図のように、省エネの指標とされる『断熱等性能等級』の他にも、いくつかの性能等級を満たしていないと認定がされないため、厳しい基準をクリアした価値の高い住宅といえるでしょう。
※断熱材の基準は『省エネ基準』と同じですが(令和4年3月現在)、高性能の断熱材を使うことで、性能を上げることは可能です。
『長期優良』で住める一方、少し費用や手間がかかるのも注意

長期優良住宅の場合、認定取得や、認定にあたっての省エネ計算、耐震性の計算などのほか、住み始めてからも長く住むための費用などがかかってしまうのを知っておく必要があります。
定期点検を行っていくことはもちろんのこと、修繕ができるように月数万円ほどの積み立てをしていくことも必要です。
しかし、長い間安心して住み、次の世代にバトンタッチできるというのは大きな価値でしょう。
耐震等級取得により、地震保険料が安くなることも
長期優良住宅の場合、耐震等級2、もしくは3の取得が必要です。
耐震性が高いほど地震に強い住宅になるため、地震保険料が安くなることもあるようです。
そちらの証明書としても『長期優良住宅』は有効に使うことができるでしょう。
長期優良住宅について、更に知りたい方はこちら

認定実績が累計120万戸突破!ますます注目される『長期優良住宅』のメリット・デメリット
省エネ基準適合でも補助額60万円は取得できる。しかし…
省エネ基準適合で60万円の補助金を取得することも十分良いと思いますが、健康かつ快適に暮らすのには、ある程度の高断熱化・高気密化が不可欠でしょう。
ZEHの住宅に住む方にお聞きしたところ、『冬場、夜エアコンを止めていても朝まで暖かく、部屋着で外に出たら寒くて風邪をひきそうになった』と仰っていたことがありました。
国の政策で、2030年には新築住宅の全てをZEH水準にしようとしています。
ZEHに代表される認定住宅は確かに初期コストがかかりますが、決して高嶺の花ではなく、私たちが豊かに暮らすうえで価値のあるものが詰まっているといえるでしょう。
まとめ
『こどもみらい住宅支援事業』補助金について、省エネグレード別に活用メリットを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
家の省エネ性能については、外観や内装に比べて、住み始めてからをイメージしにくいものかと思います。
補助金も嬉しいですが、一番大切なのは住み始めてからの生活が快適で豊かなことでしょう。
断熱性やエコ、快適性といったことも頭の隅に置きつつ、素敵ないえすたいるに出会えたら幸いです。
お読みくださいまして、ありがとうございました。
いえすたいるの工務店は『こどもみらい』に対応!
『こどもみらい住宅支援事業』コラムVol.1を読む

【R4年補助金/最大100万円】 こどもみらい住宅支援事業 ~3つのポイント~

いえすたいる編集部
のぶりん
茨城大好き、鉄道旅行大好きの「のぶりん」です。 普段は、住宅の設計や省エネに関する業務に携わっています。 素敵な「いえすたいる」に出会って頂けるよう、お気持ち込めて、役立つコラムを書いてまいります!