2024.10.29
【新築/必見】『おうちの断熱って?』疑問あるある&気になる用語を解説 Vol.1
住宅の省エネや高断熱というと、とても難しそう、あまり私たちには関係がないかなと思ってしまいませんか?
断熱をポイントをおさえ、実際に住む住宅にて暮らしへのメリット・恩恵を知ることで、家づくりも楽しく、より豊かなものになると思います。
疑問として思いやすいものや、良く出てきます用語の解説をお届けします。
そもそも断熱とは?
壁などの内側・外側での熱の行き来をなくす
発泡スチロールのボックスをイメージして頂けると分かりやすいかと思います。
熱の行き来を限りなくなくすことで、夏場でも保冷材の入った中は冷たいままになります。
住宅も同じ考えで、しっかり断熱材やサッシで覆ってあげることで、断熱の恩恵を受けることが出来ます。
断熱と遮熱は違う?
断熱と遮熱は、似て非なるものです。
断熱は、単純に熱の出入りを抑えることですが、遮熱は、『日射熱』(日差しによる熱)を遮断することを示します。
*前述の発泡スチロールのバッグや、住宅の屋根や外壁は、断熱も遮熱も兼ねていることになります。
日差しの熱(日射熱)の取り入れ、遮断も、考えておく必要あり
住宅は当然ながら屋外に建てますので、断熱とあわせて『遮熱』も考えなくてはいけません。
断熱材をハイスペックにしたとしても、南側のサッシが少なく小さいと、冬場ぽかぽかする南面の恩恵を受けることが難しくなります。
サッシは、今low-e膜のついた複層ガラス以上が主流になっておりますが、複数あるガラス面のどの面にlow-e膜(金属膜)をつけるかや、設置方位(後ほど紹介します)によって日射熱の取り入れ方は変わってきます。
◆『断熱』基本ワードをマスター!
UA値(ユーエー値:外皮平均熱貫流率)
UA値とは、住宅全体の断熱性能を数字で表したものです。
熱貫流という言葉がある通り、数字が大きいほど、熱がたくさん貫くため『断熱性能』は低くなります。
住宅の大きさ、階数、サッシ面積の割合、土間スペースの割合など、様々な要因によって断熱性能は大きく変わります。
断熱材の種類や厚み、施工方法などによっても変わります。
※参考までに、2025年度~義務基準では『0.87』、2030年度義務基準(予定)では『0.60』という数値になっています。
(水戸市の場合)
日射熱取得率
日射熱取得率は、住宅の外皮(がいひ:住宅を覆う断熱ライン 外壁や床、天井、サッシ等すべて)全体でどれだけ日射熱を取り入れるかを数値化したものです。
冷房期(夏場)と暖房期(冬場)の2つの指標があり、2025年度より冷房期の取得率のみ基準適合が求められます。
必ずしも大きければいい、小さければいい、というものではなく、夏場の日射熱取得を抑え、冬場は日射熱を多く取り入れることが吉といえるでしょう。
*既にお伝えしたサッシの仕様や、設置方位によって性能値が変わってきます。
内部結露と表面結露
結露というと、冬場の窓ガラスに水滴がびっしりつくのを想像されると思います。(表面結露)
また、もっと怖いもので住宅の内部(柱など)に水滴がつく『内部結露』というものもあります。
住宅の柱などに水滴がつき、乾燥しないと当然木が腐るというリスクが上がってきます。
昔の住宅はすき間だらけでこういった心配はありませんでしたが、
断熱性・気密性を高める上で、こちらの対策もする必要が出てきました。
詳しく知りたい方は下記のコラムをご覧下さい。
【茨城/新築】快適に暮らしたい!結露の発生メカニズムと対策をお伝えします。
一次エネルギー消費量削減率 (%)≒光熱費削減
エネルギーときくと難しそうに感じますが、簡単に申し上げると『光熱費』(電気やガス等)です。
2025年度義務基準では、基準値に対して0%以上削減(基準値に対して光熱費がオーバーしない、少しでも減ること)になる予定ですが、2030年度義務基準(予定)では、基準値に対して20%も削減しなくてはいけません。
光熱費をそれだけ削減するのは大変そうに思いますが、国の補助金や省エネ設備の普及もあり、そこまで追加費用は生じないと思われます。
こちらは、断熱材や日射熱取得の性能も影響されるため、単純に給湯器などを良くするだけでなく、住宅全体で評価されるイメージと考えて下さい。
コンパクトなおうちもおすすめ
同じ断熱仕様でも、計算上、2階建より平屋、床面積が小さいほうが相対的に断熱性能が高くなることがわかっています。
また、掃除の手間も減る他、エアコンなどの稼働も抑えることができますので、必要十分なコンパクトなおうちも、おすすめかもしれません。
茨城県で建てた、コンパクトでかわいいオシャレな新築一戸建ての平屋5選
断熱材を厚くして夏場は暑くならないの?
夏場にも効果あり
外からの熱の侵入を抑えやすくなりますので、発泡スチロールの保冷バッグと同じく、夏場にも効果があります。
直射日光や照り返しが外壁、サッシにあたって熱が入ってくることも多々ありますので、方位ごとのサッシ面積やガラスの種類などへの工夫も必要です。
*断熱性能を高めると、エアコンの効きも良くなり、止めたあとの温度も変わりにくくなるメリットがあります。
屋根や天井の対策も必要!
屋根断熱:遮熱タイプの通気スペーサーを使う
屋根断熱の場合、屋根の上部に、通気スペーサー(段ボールなどの、空気の流れを作る層)を設けることが主流となっていますが、そのスペーサーに『遮熱タイプ』のシートをつけることも、夏場も暑さ対策として人気があるようです。
天井断熱:小屋裏換気をしっかり
天井断熱の場合、天井裏(小屋裏)に熱や湿気がこもりやすく、暑さの他にも住宅の躯体に与える良くない影響も出てきます。
その為、小屋裏の面積に応じた小屋裏換気部材を使うなど、小屋裏の空間を良好に保つための措置が必要です(≒暑さ軽減にもなります)
(画像引用元 城東テクノ 小屋裏換気計算ナビ https://www.joto.com/support/attic/attic-calculation/)
サッシ:夏場は東・西からの日差しが強い!
意外かもしれませんが、夏場は南面より東西面のほうが日射量が多いとされています。
もちろん南面も直射日光は暑さの大敵ですので、庇などでうまく太陽光を遮る必要がありますが、強い西日などの対策が重要です。
まとめ
住宅の断熱に関しまして、疑問あるあるや、工務店で出てくる基本的な用語説明をいたしました。
いかがでしたでしょうか。
省エネやZEHなどといった言葉を聞くと、難しそう、国が考えること、というイメージを持ちがちですが、私たちが住む空間が快適になり、家計にもやさしいということなど、メリットがあることを認識頂けたら幸いです。
お読みくださいまして、ありがとうございました。
いえすたいる編集部
のぶりん
鉄道・飛行機・旅行の大好きな「のぶりん」です! 住宅の省エネや申請等に携わっています! 工務店の魅力を広くお伝えできるよう日々頑張ってまいります!