2024.01.12
【茨城/新築】『断熱等性能等級』『一次エネルギー消費量等級』 ~住宅の省エネ基準についてわかりやすく解説します~ Vol.2
住宅の省エネについて、SNS含む様々なメディアで取り上げられるようになりました。
2025年4月からの省エネ基準適合義務化や、ZEH水準、ZEH、LCCM住宅についてはご存知でしょうか。
それらの基礎となります、断熱や一次エネルギーなどの性能基準について、学んで頂けたら幸いです。
断熱等性能等級 ~等級別に解説します~
断熱等級4 ~2025年から義務化の基準~
断熱等級4ですが、いわゆる2023年時点での『省エネ基準』であり、2025年4月より義務化される基準を示します。
基準の指標となります外皮平均熱貫流率(UA値)は0.87以下と、最低ラインであり大部分の住宅がクリアするような水準です。
断熱等級5 ~ZEHの断熱基準~
断熱等級5は、UA値0.60以下(茨城県水戸市の場合)という、いわゆる『ZEH』の断熱仕様の基準を示します。
数年前まではZEHはまだまだ普及途上でしたが、今ではこどもエコすまい補助金、子育てエコホーム支援事業などにより、決して敷居の高い省エネ水準ではなくなっています。
断熱等級6 ~ZEHよりも高い断熱性能 光熱費削減に効果的~
断熱等級6の住宅にするは、UA値0.46以下(水戸市の場合)という基準を満たす必要があります。
国とはまた別の団体が定めている高断熱住宅の基準に『HEAT20(ヒート20)』というものがありますが、その中のG1グレードに該当します。(G1~G3の3グレードがあります)
ZEHよりも踏み込んだ高断熱化を行っており、コストアップに対する光熱費削減や室温維持などの快適性から、推奨される水準です。
断熱等級7 ~高断熱の最高峰~
断熱等級6に比べて、さらに高い断熱性能にした場合の水準です。
UA値0.26以下(水戸市の場合)という基準の為、平屋・2階建問わず、外壁の外側に外張断熱を新たに行う必要があり、コストアップも大きくなります。
サッシも、トリプルガラス(サッシガラス3枚+中空層2層)にし、断熱材の製品や厚みも変えていかなくては達成できない傾向が強いです。
※HEAT20ではG3グレード(UA値0.23以下)に該当し、世界の断熱性能の中でも最高峰のレベルといえます。G2グレードはUA値0.34以下です。
(画像引用元)令和5年度国土交通省補助事業 住宅の省エネルギー設計と施工2023 p.38
https://shoenehou-online.jp/doc/%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%81%AE%E7%9C%81%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E8%A8%AD%E8%A8%88%E3%81%A8%E6%96%BD%E5%B7%A52023_4-7%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E7%89%88.pdf
一次エネルギー消費量等級 ~等級別に解説します~
一次エネルギー消費量についてはご存知ですか?
住宅の断熱性能や間取りも関係しますが、主に給湯器や換気などの設備の省エネ性能を示します。
消費エネルギーがどれだけ削減できたか(省エネになったか)をパーセントで表し、
『一次エネルギー消費量等級(以下、一次エネ等級と呼びます)』として評価づけられます。
一次エネ等級4 ~2025年からの義務化基準~
一次エネルギー消費量削減率0%以上の基準等級です。
基準値は床面積等を元に割り出され、断熱材や設備などの仕様によって『設計値』が求められます。
設計値がどれだけ基準値より削減できたかを示しますので、
0%を下回った場合は、省エネではなく増エネになり、一次エネ等級4という最低基準を満たせなくなります。
多くの設備では、省エネ基準という最低ラインを満たすかと思いますが、床暖房など、大幅にエネルギー消費をするという評価を受ける設備もあり、注意が必要です。
※2025年4月からの義務化基準です。
一次エネ等級5
一次エネルギー消費量削減率10%以上の基準です。
以前は、長期優良住宅や認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅などの、国が法律で定めた認定住宅の基準でしたが、国の省エネ向上政策のもと、こちらよりも上の基準に引き上げられました。
フラット35Sなど、一部の制度では基準の中に入っていますが、省エネ基準に近く、決して高い基準ではない等級となっています。
一次エネ等級6 ~ZEHの基準(太陽光除いて達成)~
一次エネルギー消費量削減率20%以上の基準を示します。
どのくらいの省エネ性能かがわかりずらい数値ですが、国の定めるZEH基準は、こちらの20%以上になります。
長期優良住宅などの認定住宅も、こちらの一次エネ削減率20%以上になっている他、今後の設備の省エネで基準となるであろう指標です。(BELS評価書では『★★★★★(星5つ)』として評価されます)
いえすたいるでは、断熱や一次エネなど『省エネ性能の高い』住宅の建築事例も多く掲載しています!
省エネ性能が高いのが大事なのはおわかりかと思いますが、どのような住宅か気になるかと思います。
いえすたいるには、省エネ性能の高い住宅の建築事例を多く載せていますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
茨城県で建てた「安全で快適な高性能・省エネ住宅事例」4選
長期優良住宅やZEHにはどのくらいの性能が必要?
ZEH水準(断熱等級5・一次エネ等級6)が求められる
既に断熱や一次エネの章で紹介してきましたが、
長期優良住宅や認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅や、ZEH等にて、
『断熱等級5以上+一次エネ等級6以上』が求められ、いわゆる『ZEH水準』といいます。
(UA値0.60以下、一次エネルギー消費削減率20%以上)
■注意■
ZEH水準の住宅に、太陽光発電を搭載して、一次エネルギー消費削減率100%以上になりますと、
ZEHになります。(ZEH水準はZEHではありません)
こどもエコすまい、子育てエコホーム支援事業での基準も、こちらの『ZEH水準』になっており、
2030年までに義務化される可能性が高い基準ですので、これから住宅を検討される方は、この基準は全く高くないと思って頂いたほうが宜しいでしょう。
長期優良住宅では『耐震性』も上げなくてはいけない
ZEH水準以上の住宅は、断熱材・太陽光等による重量増により耐震性が下がり、その分性能を上げていく必要があるという話が、国より出ています。
長期優良住宅はもともと耐震等級2以上必要でしたが、2023年時点では耐震等級3が必要になっています。
省エネだけでなく耐震の検討も必要ですが、さらに性能を上げないといけなくなっています。
逆に言いますと、大地震にもびくともしないような、安心安全の家を手に入れることができます。
これからの時代はLCCM?
住宅の建築~居住~解体までを通して、CO2排出を0以下にする『究極のエコ住宅』
ZEHは高断熱化・設備の省エネ化・太陽光発電設備により、年間のエネルギー消費を相殺する住宅です。
LCCM住宅は、居住以外にも、住宅の木材伐採から建設、居住、解体までに生じるCO2排出を0以下にする住宅ですので、相応の性能UPが必要になります。
長期優良住宅+ZEH+太陽光容量増 ≒LCCM基準達成の可能性
CO2排出量といいますと難しそうな気がしますが、LCCM住宅を満たす為の仕様・水準はいたってシンプルです。
長期優良住宅にし、手入れしながらなるべく長く住める家にすることと、ZEHにし、太陽光発電量を増やすことで、CO2排出量を0以下にしていきます。
ZEHが普及してきたように、LCCM住宅も今後身近になっていく可能性があります。省エネ住宅の最高峰、いかがでしょうか。
まとめ
断熱・一次エネルギー等級について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
2050年の脱炭素実現に向けて、国が全国の住宅の省エネレベルを引き上げるように法改正・補助事業施行等を行っています。
ZEH水準・ZEH・長期優良住宅などについては、今後より身近なものになると思いますので、ぜひとも家づくりのご参考にして頂けたら幸いです。
お読み頂き、ありがとうございました。
省エネやZEHへの対応などは、気になる工務店に聞いてみるのがおすすめです!
いえすたいる編集部
のぶりん
鉄道・飛行機・旅行の大好きな「のぶりん」です! 住宅の省エネや申請等に携わっています! 工務店の魅力を広くお伝えできるよう日々頑張ってまいります!