2019.12.26
すまい給付金は2021年内引渡しまで活用可能! 気になるメリットや給付額、対象要件とは?
住宅について、増税による駆け込み需要といった需要変動をおさえるべく、住宅ローン控除制度があります。一定の年収以下の方にも恩恵ができるよう「すまい給付金」制度が始まりました。その仕組みと給付のための条件についてわかりやすく解説します。
すまい給付金はそもそもどういう制度?
消費増税による住宅需要の変動抑制がねらい
消費税率が5%から8%へ、そして8%から10%へ引き上げられてきました。
それによって、税率が変わる前に住宅を買っておこうという「駆け込み需要」と、増税後の反動が経済的に大きく影響を与えるのではないかという危惧がされてきました。
その住宅需要の変動をおさえるべく、住宅ローン控除という制度が出来ました。
しかし、この住宅ローン控除制度は、ある一定の年収以上でないとあまり恩恵を受けることが出来ないため、新たに「すまい給付金」という名前により、一定の年収以下の方に現金を支給することによって、恩恵を受けられるようにした、というものがこの制度です。
この「すまい給付金制度」、いったいどのくらいのお金がもらえるのか、そしてどういう条件があるかとても気になりますよね。次の章から詳しくお伝えしていきます!
気になる「すまい給付金」 給付額シミュレーション
年収が低いほど、給付額は増加
次の表の通りで、年収(※1)450万円以下で最大50万円まで現金支給される制度となっています。
大きな条件としては、住宅ローン控除の補助としての制度であるため、住宅ローン利用していることが前提であり、その中で年収775万円以下が対象になります。住宅ローンを利用しないで給付を受ける場合、50歳以上であり年収650万円以下という条件があり、更に住宅の性能に関する証明書類(※2)が提出条件になります。
※1 年収は都道府県民税の所得割額(所得税の課税対象額)です。
※2 フラット35Sの基準相当の証明書類(フラット35S適合証、現金取得者向け対象住宅証明書、性能評価、長期優良住宅もしくは低炭素住宅の建築物計画認定通知書等)が該当します。
夫婦それぞれで給付を受けられることも
夫婦で住宅ローンを利用している場合(共有名義といいます)、夫・妻それぞれの年収で、それぞれの給付額が決まります。夫のみが住宅ローンを利用し、妻が住宅ローンを利用していない場合は、住宅ローンを利用しない場合(現金取得者)の条件・給付額が適用されます。 また、妻が住宅ローンの連帯保証人の場合も同様となります。
夫婦それぞれで金額を出している場合、年収は上述の通り、都道府県民税の所得割額であり、それぞれの金額に持分割合をかけた額が給付額となります。持分割合とは、住宅購入に対して誰がどのくらい支払ったかのことです。夫が1/2分の金額を支払った場合は夫の所得割額×1/2となります。
※住宅ローン購入者と名義が異なる場合、住宅購入金額分を贈与したとみなされますので、名義についてはご注意ください。
どうすればすまい給付金がもらえる? 対象要件や申請期限等
対象要件:新築か中古住宅かでやや異なる
前章でお伝えした通り、住宅ローンを利用していることが大きな要件になります。(住宅ローンを利用しない場合も前章の通り、要件を満たせば申請可能です)
ほかの要件としては、申請者自身が居住すること、住宅の床面積が50㎡以上であること(新築・中古同様)、住宅瑕疵担保責任保険加入もしくは建設住宅性能表示を利用することが挙げられます。3つ目については、住宅の品質が確認されていることを証明するねらいとなっています。
中古住宅の場合は、売り主が個人の場合課税対象とならないため、対象外です。一方、不動産が売り主であれば対象となります。この場合も、瑕疵担保責任保険もしくは住宅性能表示(いずれも既存住宅版)の取得が必要です。
期限を過ぎたらもらえない!
申請自体は、住宅の引渡しから1年3か月以内(2019年12月現在)となっており、過ぎてしまうと給付金が得られなくなります。
引渡し自体は、2021年12月31日までが対象となり、入居後の申請も可能なので、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
この記事では、すまい給付金の概要や給付額、対象要件などについてお伝えしました。
消費増税による住宅需要への影響を抑えることを目的にできた住宅ローン控除制度、すまい給付金制度。
給付額の算定は少しややこしい部分があるようですが、公式ホームページなどで給付額シミュレーション等を行い、安心してすまい給付金を活用してみましょう!
いえすたいる編集部
のぶりん
鉄道・飛行機・旅行の大好きな「のぶりん」です! 住宅の省エネや申請等に携わっています! 工務店の魅力を広くお伝えできるよう日々頑張ってまいります!