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by TANOKURA

2022.07.21

【高断熱住宅/新築】ZEH以上の省エネ性能を確保するにあたっての注意点 ~5選~

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住宅の脱炭素化、高気密高断熱化が進んでおり、ZEHやZEH以上の省エネ性能を考える方も増えてきています。
ZEH以上の高性能住宅を新築するにあたって、どういう注意点があるか、お伝えしたいと思います。
頭の片隅におき、住宅の仕様を検討して頂けたら幸いです。

注意の必要な仕様 5選

その1 床暖房が設置予定になっている

断熱や設備の省エネ性能の計算で、最も注意したほうが良いのが「床暖房です。

温水式や電気式等、床暖房の中でも様々なものが存在しますが、一次エネルギー消費量削減率がマイナスになる(増エネとなってしまう)ケースが多くみられZEHはおろか、省エネ基準すら厳しくなることがあります。(決して床暖房を否定しているわけではございません)

床暖房は足元からじわじわと暖かい空気が上がってくるため、エアコンのような上からの温風に比べて快適であり、人気も高いようです。

実際に設備を検討される際に、頭の片隅に置いて頂けたら幸いです。

床暖房でZEH達成させるコツとは?

ハイブリッド給湯器と温水床暖房が一体となった、給湯・温水暖房一体型の床暖房設備を導入することで、比較的省エネ性能を高くすることができます。

ハイブリッド給湯器自体が、給湯器の中でも省エネ性能が非常に高いため、上記のケースで床暖房を敷設して、ZEH達成することへの障壁もだいぶ小さくなるといえます。

その2 大きめの窓の多数設置

窓の広い部屋のイメージ

次は断熱性能に関する仕様をご紹介します。
室内で、壁と窓ガラスを触れたとき、冬ですと明らかに窓ガラスのほうが冷たいことがおわかりでしょう。
窓のほうが屋根や壁、床に比べて、どうしても断熱性能は下がりがちです。
高性能断熱材の入った壁と同じ水準の性能を持つ窓も出ていますが、非常に高額です。一般的なもの、少し性能のいいものですと、どうしても住宅全体の断熱性能でみるとそこがネックとなってしまいます。

窓の面積が相対的に大きいほうが不利(断熱性能が下がる)な為、窓の大きさについては方角によってメリハリをつけるのが良いでしょう。

その3 大空間のリビングや吹き抜け、小屋裏

下から見上げた吹き抜けのイメージ

給湯器や換気、照明といった設備の省エネ性能の計算には、居室面積が使われます。
主たる居室(いわゆる「リビング」)、その他の居室(洋室や、和室など)、非居室(トイレなど)に分けられ、主たる居室面積が大きいほど省エネ性能としては低く計算されます。

一つの部屋の面積が非常に大きい住宅も素敵ですが、省エネ性能としては不利になる可能性も出てくるでしょう。

また、吹き抜けや小屋裏についても注意が必要です。
2階に吹抜けがある場合、2階に床があるという想定(仮想床)がされ、下階が主たる居室の場合は計算に追加されます。
小屋裏についても、扉や壁で仕切られていない場合は、隣接空間の居室の面積へ算入され、どうしても不利側となってしまいます。

(補足)小屋裏などは、建築基準法で1.4m以下であれば床面積算入不要とありますが、一次エネルギー消費量計算では、『壁や建具で仕切られている』場合のみ算入しなくても良いとされています。

吹き抜けや大空間は素敵だけど、構造上も注意が必要!

省エネだけでなく、住宅の『耐震』の観点からも、吹抜けや大空間は注意が必要です。

柱や壁がないエリアは、どうしても地震などに対して弱くなってしまいます。

床や、その中の梁なども、柱に掛かる力を受ける役割をしていますので、床のない吹き抜けについても、耐震上弱くなりがちです。

(その分、梁の幅を大きくしたりなど、対策が必要になります)

省エネと耐震性に関してのコラムや、吹き抜けに関するコラムを紹介しますので、ぜひご覧ください。

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その4 断熱性能・一次エネルギー性能が基準値ぎりぎり

断熱材や各設備それぞれの性能も大切ですが、

全体として、断熱性能のUA値(外皮平均熱貫流率)・ηA値(日射熱取得率)、および設備性能の一次エネルギー消費量削減率 がZEHなどの基準値を満たしている必要があります

茨城県水戸市の場合、UA値のZEH基準は0.60以下ですが、こちらが仮に計算して0.59の場合、いざBELS等の証明書取得の際に、訂正等で0.61等(基準未達成)になってしまうリスクがございます。

グリーン化事業補助金や省エネの証明書取得の際は、こちらの注意が必要になります。

断熱や設備性能について、詳しく知りたい方はこちらへ

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その5 太陽光パネル面が東・西寄り

太陽光パネル搭載の家

太陽光パネルは、その名の通り、太陽の日差しを浴びて発電する設備です。
南面を向いているのが一番発電効率が良く、東面や西面は南面より15%ほど効率が落ち、北面は40%近く効率が落ちるとされています。

予め方位を承知の上でパネル枚数を増やすなどでZEH達成するのは問題ないですが、
後から、立地の関係で南面のはずが東寄りに向くことになった場合ですと、再計算後ZEHにならなくなったという事も十分あり得るでしょう。

また、太陽光パネルは周辺住宅に反射して眩しくなることもあるため、注意が必要です。

しかしながら、電気代などの値上げが大きい現在、太陽光設備設置は非常に良いといえるでしょう。
こちらのコラムについてもぜひご参考にして頂けたら幸いです。

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まとめ

ZEH以上の省エネ性能にするにあたっての注意点をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

省エネ性能を高めることで、光熱費削減や快適性向上、各種優遇等、計り知れない恩恵があります。

頭の片隅に置きつつ、決して縛られすぎず、理想の住宅仕様を検討していただけたら幸いです。

お読みくださいまして、ありがとうございました。

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いえすたいる編集部

のぶりん

住宅の脱炭素化、省エネ化に関する業務に携わっている「のぶりん」です! 素敵な「いえすたいる」に出会って頂けるよう、お気持ち込めて、役立つコラムを書いてまいります!

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