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by TANOKURA

2020.12.21

最終更新日 2023.01.26

住宅に太陽光発電を導入しようvol.3~電気代の上昇と自家消費型太陽光の導入編~

太陽光住宅のイメージ
ZEHお金・住宅ローンランニングコスト太陽光発電家づくりの豆知識家のメンテナンス家の構造について災害に対する防災省エネルギー住宅

太陽光発電のメリット・デメリット編はいかがでしたでしょうか。地球に優しくエコな発電で、近年多発する自然災害でも生活を守ることができる太陽光発電システム。一方で今日、家庭の一か月の電気代は上昇傾向にあります。ではいったいどのくらい電気代が上昇しているのか、売電単価の推移や再エネ賦課金の上昇などをまとめ、なぜ今、自家消費型太陽光発電システムが注目されているのか。今回のコラムでまとめていけたらと思っております。

過去のコラムはこちらから

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電気代①~売電単価の推移~

売電単価の推移

※「10kWh未満」は税込価格

年々下がっていく売電単価は、逆にメリット大!

グラフを見ていただくとわかる通り、年々、売電単価(FIT)は下がっています。売電単価の減少だけをピックアップすると太陽光発電システムを導入して、売電収入を得るメリットを感じにくいかもしれません。しかし、2012年度の売電単価(住宅用で)42円の時に太陽光発電システムを導入する際のコストは1kWhあたり平均46.5万円だったのに対し、2020年度の売電単価(住宅用で)21円の時に太陽光発電システムを導入する際のコストは1kWhあたり平均で29万円。売電単価の減少に比例して太陽光発電システム自体の導入コストも大幅に下がっていることが分かります。後程説明しますが、売電価格は下がっているものの、依然として売電による収入の損益はプラスには設定されています。

 

FIT制度(固定価格買取制度)で定められた売電価格(42円や21円等)は、原則として「太陽光発電システムの初期導入費用を回収できるように」設定されています。

太陽光導入費用

※導入費用には前後ありますが確実に導入コストは下がっていく

例えば家庭に4kWの太陽光発電システムを導入しようと検討した場合、2012年と2020年では平均で70万円も差が生まれています。売電単価は減少していますが、同時に太陽光発電の導入コストも低下し、一般普及しやすくなっているのが事実です。更に現代は太陽光発電システムの技術が進化しているので「低価格なのに性能も良い」のは大きなメリットでしょう。

参照:経済産業省_住宅用太陽光発電のシステム費用の推移

太陽光発電で創る電気は「安い」です!

前回のコラム(住宅に太陽光発電を導入しようvol.2~メリット・デメリット編~)にてお伝えしました通り、「太陽光発電システム」はメンテナンス(パワコンの交換等)を行うことで30年以上使用可能な設備です。さて、2020年を基に考えてみましょう。2020年度の太陽光発電の導入費用は29万円/kWで、メンテナンス費用(9万円)を加え、38万円/kWと見込まれます。

【表1】

太陽光発電システム1kWの年間発電量は約1,000kWhなので、30年間の総発電量として約30,000kWhが見込めます。上の表【表1】にもあるように、太陽光発電システム1kWの発電総費用は380,000円なので、太陽光発電システムが創り出す電気の単価は、380,000円(発電総費用)÷ 30,000kWh(総発電量)=12.6円/kWhと試算できます。これを、現在の一般的な家庭の電気料金単価や売電単価と比較すると最もお得な電気であることが分かります。2020年度太陽光を導入した場合でも、太陽光発電で創られた電気(12.6円/kWh)をFIT期間(2020年度開始)によって21円で買い取っていただけるので収入は「プラス」です。特に最近は家庭の電気代が上昇しているため、太陽光発電システムの導入による効果は大きいと思います!

電気代②~電力単価の上昇~

電気料金平均単価の推移

上昇理由①~「原子力発電」と「火力発電」に依存している発電方法~

火力発電

日本国内の電力発電の比率は、ほぼ「原子力発電」や「火力発電」に依存しています。また、火力発電時に使用する「化石燃料」は、ほぼ国外からの輸入に頼っているため為替変動(「円安」or「円高」)が直に発電コストに響いてしまいます。更には「原子力発電」が稼働中止となっている現在、「火力発電」の比率がさらに増えているので為替変動による影響も大きくなっています。

上昇理由②~感染症対策によるステイホーム時間の増加~

ステイホーム リモートワーク

今後の電気料金の上昇理由として2020年のコロナウィルス流行に伴う感染対策として急激に加速した「リモートワーク」や「ステイホーム」が挙げられます。家の中で生活する時間・仕事をする時間が増えるということは、それだけ電気使用量も増加していきます。今後はリモートワークも常用する会社も増えるでしょう。となった場合、電気料金の上昇は避けられない問題です。

 

これらの上昇理由に加え、「再エネ賦課金」の導入も家庭の電気料金が上昇傾向にある理由の1つです。そもそも「再エネ賦課金とは?」「なんで負担するの?」などいくつか疑念もあるでしょう。疑念の解消も含め、この「再エネ賦課金」の負担額は年々どう変動しているのでしょうか。

電気代③~再エネ賦課金の上昇~

再エネ賦課金の推移

火力発電への依存脱却のため国策として再生可能エネルギーの普及・拡大に努めている

グラフを見ると年々上昇を続ける『再エネ賦課金』の金額。皆さんの電気料金の明細票に記載されている「再エネ賦課金」の文字。

再エネ賦課金

正式名称は、『再生可能エネルギー発電促進賦課金』と呼ばれています。皆さんが負担する理由は『再エネ賦課金』が「電力会社が太陽光発電をはじめ風力発電や水力発電などで創出した再生可能エネルギーを買取り、そこに要する費用を全国一律の単価により、電気の使用量に応じた賦課金として、電気をお使いの方に負担いただく」という制度だからです。本制度は2012年7月より施行され、その際の負担額は「0.22円/kWh」でした。そこから年々上昇し、2020年度時点で「2.98円/kWh」まで上昇しております。今後も再エネの普及拡大は必須課題なので負担額も上昇していくことが懸念されています。

『再エネ賦課金』の計算式

再エネ賦課金計算式

※2020年度の再エネ賦課金単価「2.98円」の場合

2012年~2020年度の『再エネ賦課金』単価の合計は「16.62円/kWh」です。例えば、オール電化住宅にお住いの一般的な4人家族(平均電力使用量600kWh/月)の場合、制度がスタートした2012年~2020年までの9年間で、使用した電気料金とは別に「再エネ賦課金」だけで約12万円(16.62円×7200kWh)負担しています。高い売電価格の裏で、これだけの『再エネ賦課金』額を電力会社に支払っているのが事実です。

『電気料金平均単価』『再エネ賦課金単価』の上昇から見える負担増加の未来

負担増のイメージ

毎年、負担額の単価が上昇していくことが懸念

ここまで「売電単価」「電気料金」「再エネ賦課金」の観点から家庭における「電気料金負担増」について述べさせていただきました。この先も『電気料金単価の上昇』が続くと『家庭における毎月の電気代の負担増加』が、ますます高まっていきます。2020年度以降はステイホームやリモートワークの醸成などもあって、平均的な電気使用量が増える家庭も多いのではないでしょうか。するとどうでしょう、毎年のように『「再エネ賦課金単価」も上昇』していますので、電気使用量の増加分だけ『「再エネ賦課金」負担額』も増加します。

売電単価の減少により、『自家消費型』の太陽光発電システムの注目度があがる

売電単価と電気料金平均単価の推移

グラフをみていただくと、売電単価が高い時期は電気を自家消費せずに電力会社に売電することのほうが効果大であったため、『自家消費型』の太陽光発電システムはあまり注目されていませんでした。しかし、売電が最も高かった時期に太陽光発電を導入した方は「FITによる10年保証の売電期間」が終了し(「卒FIT」を迎え)ます。卒FIT後の売電価格は誤差ありますが平均10円/kWhほどですので、これでは売電するメリットがなくなってしまいます。では直近やこれから太陽光発電システムを導入しようと考える方はどうでしょう?2018年度で同額に、2019年以降「売る電気と買う電気」の価格が逆転していくと予想されていますので「売るより使う」ほうがメリットがありますよね。【卒FIT】を迎える家庭、新規導入する家庭、どちらも『売るより使う』ことがメリットがあるので『自家消費型太陽光発電』がどんどん注目されている。というわけです。自家消費型太陽光発電によって、電気を買う量を減らして、電気代も再エネ賦課金負担額も減らすこと。今後は電気を売らずに、家庭で使う電気使用量の一部に充てることで得られる電気代削減効果のほうが売電収入より年々大きくなっていくでしょう。それでも余った際には売電収入を得るのもいいでしょう。

まとめ

今回は「電気料金の上昇」の観点から『自家消費型太陽光発電システム』についてまとめてみました。電気料金の上昇と併せて再エネ賦課金の上昇が今後も上昇していくと予想されている今日、「太陽光発電システムの導入」をしないのはもったいないと思います!「売電単価」の毎年の価格設定は、実は太陽光発電システム導入コスト自体に左右して設定されているということ。すなわち①売電単価の減少=太陽光導入コストの低下です。また近年注目を浴び、主流になりつつあるのは『売電収入型太陽光』で導入コストを回収していくことではなく、②「買う電気」をなるべく減らして電気代を削減する『自家消費型太陽光』です。その裏付けにあるのは「売る電気と買う電気」の価格逆転現象があるということ。以上の2点を踏まえて、改めて太陽光発電システムの導入をご検討してみてはいかがでしょうか。また自家消費で電気代を削減することに加え、更に効率よく電気代を削減するために、太陽光システムと併せて蓄電池を導入する『創畜連携型(太陽光発電システム+蓄電システム)』も注目を浴び始めています。蓄電池については別コラムもご覧ください。

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いえすたいる編集部

KAKUTO

最近は「洋服(特に裏原系)」と「kpop」にハマっています! 息抜きにする「読書(主にミステリ小説)」もちょっとしたマイブームです。 これから家を建てる皆様へ、少しでもお役に立てる情報発信を 私自身も日々勉強しながら更新してます!

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