2022.12.26
最終更新日 2023.01.05
【新築/注文住宅】太陽光発電設備初期費用「0円」のPPAモデルとは?導入はおすすめ?メリットやデメリットは?
昨今、度重なる『電気料金』の値上情報は多くの家庭を悩ませていることでしょう。値上がり続ける電気の購入を減らすため、再び『太陽光発電設備』が注目されております。しかし、いざ導入を検討した際に太陽光パネル設置には大きく3つの導入モデルがあって悩んでしまうのではないでしょうか。実際にどのモデルを選択して太陽光発電設備を導入するのが良いのか。近年CMでも見かけ、話題になる『初期投資0円』のPPAモデルは本当におすすめなのか?それぞれを比較し、導入をご検討いただきたい背景も交え、まとめていこうと思います。
電気代の高騰により太陽光発電設備は再び「注目」をあつめる
世界情勢の影響や国内の火力発電依存などにより、「電力単価の上昇」に加え、「再エネ賦課金単価の上昇」や「燃料調整費の上昇」が重なり、最終的に『電気料金』が大幅な値上げとなっております。「使っている電気量は去年と変わらないのに・・・」等、少なからず皆様も影響を感じているのではないでしょうか。そんな背景から、「なるべく電気を買わない暮らし」が脚光を浴び、結果的に太陽光発電設備に注目が集まっています。太陽光発電設備をご検討の方は、是非こちらのコラムもご覧ください。
【太陽光/電気代/値上げ】電気代高騰で太陽光発電設置を考えるのは実際どうなの??
太陽光発電設備は年々導入するハードルが下がっている=導入のチャンス!
太陽光発電は次の時代へ~「売電」⇒「自家消費」~
今から10年前の2012年、太陽光で発電した電気を売る際の「売電単価」は42円/1kwでした。買う電気より売る電気の方が高かったので、『電力会社から電気を買って生活し、家で創った電気はすべて売る。』これが当時の太陽光発電導入の動機でした。そこから年々「売電単価」は下がり続け、直近2022年度の「売電単価」は17円/1kwに。10年間で25円も値下がり、『太陽光発電を導入しても売電のメリットがない』というイメージが湧きますよね。実はこの考え方がキーポイントになります。『売電単価』は、FIT制度(固定価格買取制度)で定められた売電価格(42円や21円等)となっており、原則として「太陽光発電システムの初期導入費用を回収できるように」設定されています。ということは売電単価の値下げ=太陽光発電設備の導入コストも下がっているということです。そして、そこに「追い打ち」が入ります。冒頭でもお伝えしました「電力単価」「再エネ賦課金単価」「燃料調整費」の上昇です。現在は2012年の考え方から逆転し、『家で創った電気で生活し、電力会社からなるべく電気を買わない。』に変わりました。どれだけ上昇しているのか。なぜ「売電」ではなく「自家消費」なのか。詳しくはこちらのコラムもご覧ください。
住宅に太陽光発電を導入しようvol.3~電気代の上昇と自家消費型太陽光の導入編~
主に太陽光発電システム導入方法は3パターン
さて、ここからが今回の本題です。太陽光発電設備の導入を検討した際に、導入方法(モデル)は主に3パターンあります。まずはそれぞれどんなモデルなのか紹介していきます。
導入案①自己所有モデル(設備購入)
一つ目のモデルは「自己所有モデル」です。太陽光設備は自らの費用(自己資金や住宅ローンを使用)で設置します。太陽光で創った電気は所有者本人にあるので、導入費用は他と比べて一番大きいですが、自家消費や売電などによる『光熱費削減』の恩恵が一番大きいモデルです。
導入案②リースモデル
二つ目のモデルは「リースモデル」です。自己所有と同様、自家消費や売電などによる『光熱費削減』の恩恵が大きいモデルです。リース期間は自己所有ではなくリース会社所有となり、リース契約期間満了後、建築主所有となります。基本的には自己所有モデルと似ています。
導入案③PPAモデル
三つ目のモデルは「PPAモデル」です。「費用0円で太陽光!」というフレーズは近年CMなどで見かける方もいらっしゃるのではないでしょうか。このモデルもリースと同じく、契約期間中は自己の所有ではありません。PPA事業者と取り交わした期間(10~15年程)が経過後、『無償』で太陽光設備を自己所有にできるモデルです。
それぞれのメリット・デメリットで比較
「自己所有モデル」のメリット・デメリット
【メリット】
◎金利が低いため、ローン返済額よりも光熱費削減効果の方が大きい
◎発電時間帯は太陽光発電により必要電力を賄える
◎さらに余った電気は売って収入に
⇒生活費用の削減効果が大きい
【デメリット】
△初期導入費用がかかる
△ローンに算入した場合、契約額が増える(総借入額に影響)
△リースやPPAと違い、導入初期よりメンテナンス費用は所有者負担
「リースモデル」のメリット・デメリット
【メリット】
◎初期導入費用は「0円」からでも始められる(リースによる定額支払い)
◎リース期間満了後は無償で太陽光発電設備を所有できる
◎発電時間帯は太陽光発電により必要電力を賄える
◎さらに余った電気は売って収入に
◎リース期間限定ではあるが、メンテナンス費用負担無し
【デメリット】
△毎月定額の設備コストの支払
△リース金額はメンテナンス費用や金利等が影響
⇒月々の支払額増(最終的な導入コストは自己所有モデルと比べ「増加」)
△長期的な費用対効果は自己所有モデルよりも少ない
「PPAモデル」のメリット・デメリット
【メリット】
◎導入費用は「0円」※実質無料で太陽光設備を導入できる
◎PPA契約期間満了後は、無償で太陽光発電設備を所有できる
◎PPA契約期間限定ではあるが、メンテナンス費用負担無し
【デメリット】
△契約期間中はPPA事業者と定めた電力単価で電気を購入するため発電した電気を自家消費できない
⇒電力会社や新電力会社と契約するよりも電力単価は安価なため、その点ではメリットはあり
△PPA契約期間は、余剰売電はPPA会社が受取る為、売電収入は見込めない
△長期的な費用対効果は自己所有モデルよりも少ない
結論、「自己所有(リース含む)モデル」と「PPAモデル」はどちらを選択するべき?
『光熱費』の削減を最大限重視するのであれば「自己所有(リース)モデル」がおすすめ
上の図をご覧いただきますとわかる通り、太陽光設備を自己所有モデルやリースモデルで導入した場合、発電した電気を「自家消費」に回して光熱費を抑えたり、それでも余った電気は「売電」して収入にしたりと、発電した電気の使い道を選択できるため、光熱費を抑えるメリットを最大限に享受できます。『光熱費を抑えたい(+さらに余れば売電収入も)』という考えの方は自己資本や借入金額と相談ですが、理想は「自己所有モデル」、次に「リースモデル」がおすすめのモデルといえます。
「光熱費よりも導入費用を抑えたい」方はPPAモデルがおすすめ
PPAモデルでは、契約期間中は「太陽光発電で創られた電力」「余った電力」はすべてPPA事業者の所有物となる為、「自家消費」や「売電」などの選択ができません。太陽光は搭載されていますが、基本的には電気を買って生活します。ただ、その電力単価は電力会社や新電力会社が定める単価よりも「安価」で購入できる(※1)ため、一定のメリットはありますが、『光熱費削減』を考えるとそのメリット幅は少ないです。ただ、太陽光発電を無料で導入できる他、契約満了後は自己所有モデルと同じように自家消費や売電を選択することが可能になります。「とにかく導入費用をかけたくない」方にはPPAモデルがおすすめです。
※1「電力単価」は契約する会社との契約内容を確認ください。
まとめ
「自己所有モデル」「リースモデル」「PPAモデル」を選択する際は、「自分たちが太陽光発電設備を導入して何を得たいのか。」そこを念頭に考えていただくことが最善手かと思います。また、電気料金は「電力単価」「再エネ賦課金」「燃料調整費」と細分化されています。「再エネ賦課金」や「燃料調整費」の今後の変動によっては、PPA事業者の定める「電気単価」にも影響が出てくることも考えられますね。「自己所有モデルは導入費用が一番かかる」と書きましたが、住宅ローンに組み込むことが出来れば、初期費用には大きく影響はでません。住宅補助金を絡めるのもいいですね!併せて蓄電池などの「蓄電システム」を導入すれば、更なる光熱費削減効果も期待できます。詳しくは下記のコラムも是非ご一読いただき、いえすたいる茨城の工務店さんへご相談してみてください。
対象住宅を建てれば100万円超の補助金があります
【ZEH水準/新築100万円】こどもエコすまい支援事業とは?契約日・着工日・他補助金との併用等、疑問を解決します!
【2022年/住宅/補助金】令和4年度地域型住宅グリーン化事業 Vol.1 最大補助金190万円に!
蓄電システムのコラムはこちら
家庭用蓄電池の導入で実現する3つの備え~『将来の暮らし・自然災害・未来の地球環境』~
【EV/太陽光/蓄電池】V2Hとは?仕組みやメリット・注意点まとめました
いえすたいる編集部
KAKUTO
最近は「洋服(特に裏原系)」と「kpop」にハマっています! 息抜きにする「読書(主にミステリ小説)」もちょっとしたマイブームです。 これから家を建てる皆様へ、少しでもお役に立てる情報発信を 私自身も日々勉強しながら更新してます!