2022.08.31
最終更新日 2023.02.08
【茨城/2022年度 新築省エネ補助金】こどもエコすまい・ZEH・LCCM補助金等の脱炭素に向けた補助金を解説。
2050年の脱炭素社会実現に向けて、ZEHのような高い省エネ性能を持つ住宅に対して、いくつかの補助金制度が創設されました。
有名な『グリーン化事業』の他にも、こどもエコすまい住宅支援事業や環境省ZEH補助金等、様々なものが出ていますので、住まいづくりの参考になれれば幸いです。
あわせて、ZEHや『LCCM住宅』といった高断熱住宅についても学んでいただける内容をお伝えしていきます。
地域型住宅グリーン化事業(最新:令和4年度版)について知りたい方はこちら
【2022年/住宅/補助金】令和4年度地域型住宅グリーン化事業 Vol.1 最大補助金190万円に!
【こどもエコすまい住宅支援事業】
ZEHや認定住宅で100万円補助金!
『こどもみらい住宅支援事業』の続編にあたる『こどもエコすまい住宅支援事業』についてご紹介します。
地域型住宅グリーン化事業と補助対象の住宅が似通っており、予算の都合上でグリーン化事業補助金を使うことが出来ない場合も検討することができます。
※「若者夫婦世帯(建築主のいずれかが40歳未満)」あるいは「子育て世帯(18歳未満の子を有する)」である必要がありますので、該当しているかのチェックが必要です。
■2023年3月下旬より受付開始予定です■
詳しくは、次のコラム記事をご確認下さい。
【ZEH水準/新築100万円】こどもエコすまい支援事業とは?契約日・着工日・他補助金との併用等、疑問を解決します!
こどもエコすまい補助金が対応しているか、相談会や勉強会で確認されるのもおすすめです
【環境省ZEH、ZEH+、経産省 次世代ZEH+補助金】
125万円や140万円といった大きな補助額として知られているグリーン化事業は、国土交通省が行っている補助金です。
その他、環境省や経産省(経済産業省)も同じように住宅省エネを推進させる補助事業を展開しています。
補助金申請上の工事時期の短さといった難点もありますが、蓄電池や電気自動車用充電設備の導入による加算が受けられる等、こちらの補助金もメリットがいくつか存在します。
画像:一般社団法人環境共創イニシアチブ発行 パンフレットより引用 (https://sii.or.jp/moe_zeh04/support/public.html)
環境省『ZEH・ZEH+』 について
補助額としてはグリーン化事業の補助金には劣る所もありますが、『ZEH住宅:55万円/戸』『ZEH+住宅 100万円/戸』となっています。
蓄電システムを導入することで、補助額計算ルールに則り、最大20万円まで加算することができます。
グリーン化事業補助金の予算がないとき等、こどもみらいとあわせて検討するのが良いでしょう。
画像:一般社団法人環境共創イニシアチブ発行 パンフレットより引用 (https://sii.or.jp/moe_zeh04/support/public.html)
『ZEH』の基準については、グリーン化事業や他の補助金のZEHと共通しています。
(1)断熱・サッシ基準 UA値0.60以下 (例:水戸市の場合)
(2)設備の省エネ基準(一次エネルギー消費量削減率) 太陽光含めずに20%以上削減
太陽光含めて100%以上削減
※太陽光については余剰買取のみ(発電した分、自宅で使った電力に使うこと)が認められています。
一方、『ZEH+』の基準は、少し高めのものとなっています。
〇設備の省エネ基準(一次エネルギー消費量削減率) 太陽光含めずに25%以上削減
また、以下の2つ以上に対応する必要があります。
(1)断熱・サッシ基準 UA値0.40(暫定措置として0.50)以下 (例:水戸市の場合)
(2)HEMS設置により、太陽光発電量等の把握の他、住宅内の暖冷房や給湯などの制御ができること
(3)V2Hの導入(電気自動車を再生可能エネルギーにより充電する他、車を蓄電池として使えること)
UA値とは?一次エネルギー消費量とは? 基本用語はこちらでチェック!
【2024年最新・茨城】『断熱等性能等級』『一次エネルギー消費量等級』 ~住宅の省エネ基準についてわかりやすく解説します~
次の世代の省エネ設備 『V2H』についてチェック
【EV/太陽光/蓄電池】V2Hとは?仕組みやメリット・注意点まとめました
注意が必要なのは『申請スケジュール』
グリーン化事業は比較的着工から工事完了までの日程に余裕がありますが、環境省ZEH補助金には日数に限りがあり、注意が必要です。簡単に今年度の一例を紹介します。
補助金の公募期間が年に数回設定され、その間に補助金の交付申請をすることとなります。
先着順であることが多く、予算が早めになくなるリスクもあるので注意が必要です。
三次公募の例を紹介します。
公募期間(令和4年8月29日~令和4年10月21日)
工事可能な時期 交付決定後(※) ~ 遅くとも令和5年1月27日
(※)交付決定は交付申請より3週間を目途に通知が届くようです。最終で11月11日となるため、最も短くとも3か月弱となってしまい、かなりタイトになる可能性があります。余裕をもって交付申請や工事段取り準備をしておく必要があるでしょう。
その他、着工前に写真を撮ることと、設置する設備にも要件があること等、注意点が数点ありますので、工務店にまずはしっかり相談しておくことが大切です。
経産省『次世代ZEH+補助金』とはどのようなもの?
グリーン化事業のZEHや、環境省ZEH(ZEH+)に比べて、更に高い性能の住宅を対象とした補助事業です。
補助金額は100万円ですが、蓄電池等の『次世代ZEH+』該当の設備導入により、さらなる加算を見込めます。
画像:一般社団法人環境共創イニシアチブ発行 パンフレットより引用 (https://sii.or.jp/moe_zeh04/support/public.html)
省エネの基準は 環境省の『ZEH+』と同じ
UA値や一次エネルギー消費量削減率などは、基本的には環境省ZEH+の基準と同じと考えて大丈夫です。
その他、次の(1)~(5)のうち、1つ以上の追加要件を満たすことで、『次世代ZEH+』の対象住宅となります。
(1)蓄電システムの導入 ※補助金加算あり
(2)V2H充電設備の導入 ※補助金加算あり
(3)燃料電池(エネファーム等)の導入 ※補助金加算あり(2万円/台)
(4)太陽熱利用温水システムの導入 ※補助金加算あり(液体式17万円 空気式60万円)
(5)太陽光発電システム(10kW)の導入
*各設備とも、細かい規定があります。
詳細については、工務店もしくは、補助金窓口である SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)をご確認下さい。
蓄電システムについても知っておきましょう
家庭用蓄電池の導入で実現する3つの備え~『将来の暮らし・自然災害・未来の地球環境』~
令和4年度の申請スケジュール例
現在行われている、二次公募の例を紹介します。
公募期間(令和4年8月29日~令和4年11月18日)
工事可能な時期 交付決定後(※) ~ 遅くとも令和5年1月27日
(※)交付決定は交付申請より3週間を目途に通知が届くようです。最終で12月9日となりますが、2か月半では間に合いませんので、今後公募が始まった際は早めに出しておく必要があるでしょう。
仮に9月初旬に申請し、9月末に交付決定が下りた際は、10月~1月下旬の4か月程の工事時期を得ることが出来ます。それでも非常に短いため、あらかた段取りなどを進めておく必要があるでしょう。
省エネ住宅の頂点【LCCM住宅】補助金
LCCM住宅補助金とは?
ZEHは、住み始めてから毎日・年間のエネルギー消費を太陽光等の発電で相殺し、ゼロ・エネルギーにする住宅ですが、
LCCM住宅は、家の原材料となる木材採取から家の解体までをひっくるめてゼロ・エネルギー(CO2マイナス)にするといったところに大きな違いがあります。
補助額上限は140万円/戸の補助事業です。
LCCM住宅含め、Heat20やZEHなど『超高断熱住宅』について知りたい方はこちら
高断熱住宅の『Heat20』『LCCM住宅』『ZEH』とは? わかりやすくお伝えします!
補助金の要件
ZEHと長期優良住宅の性能を両方兼ねそろえたような住宅ですが、具体的には次の通りです。
(1)下記性能を満たすこと ※BELS評価書または計算書類等の提出
UA値0.60以下(水戸市の場合)
一次エネルギー消費量削減率 太陽光除いて25%以上(※LCCM住宅の場合)
太陽光含めて100%以上
(2)ライフサイクル全体のCO2算出量を算定し、0以下になること
CASBEE-戸建(新築版)もしくは、LCCO2適合判定ツール いずれかを使用
(3)CASBEE B+ランクもしくは同等以上の性能を有すること
*長期優良住宅の認定書類を提出することもできます。
※グリーン化同様、耐震性が求められますので、CASBEE書類での提出の場合、住宅性能評価書等の提出が必要です。
グリーン化補助金でもZEHに耐震性が求められ、長期優良住宅もZEH水準に引き上げられていることから、
こちらも補助金の性能も似たものが求められてきているといえるでしょう。
補助金はいくらもらえる?
画像の出典: 低炭素都市推進国際会議2009 環境モデル都市の取組紹介資料(檮原市)
上限は140万円ですが、(1)設計費用 と (2)補助対象工事の掛かりまし費用の合計の半分を算出した際、140万円に満たない場合は、低いほうの金額しかもらうことができません。
設計費用には長期優良住宅の認定費用を含めることが出来ない他、(2)の掛かりまし費用算出にもいくつか方法があるため、しっかり確認しておくことが重要です。
※掛かりまし費用とは、省エネ性能を標準仕様より上げた際の差額のようなものです。
今年度の申請スケジュール(一例)
次に行われる予定の、第2回交付申請受付での例を紹介します。
公募期間(令和4年9月中旬~令和4年11月中旬)
工事可能な時期 交付決定後(※) ~ 令和5年2月末
(※)交付申請から2週間ほどで、窓口より申請書類の質疑等が届くようです。遅くとも交付決定まで1か月みておけば問題ないのではないかと思います。
仮に9月中旬に交付申請したとしまして、10月下旬頃着工可能となった場合、約4か月が工事可能な期間となります。
まとめ
地域型住宅グリーン化事業以外のいくつかの省エネ住宅補助金をご案内してきましたが、いかがでしたでしょうか。
わからないと敷居の高いイメージがどうしても出てしまうものですが、住宅の要求性能や必要事項、工事スケジュールがわかってくるとそこまで難しくないものであるということがおわかりかと思います。
住宅の省エネ仕様についても様々なものがありますので、いえすたいるのコラムで知識をつけていただき、新築検討の際に生かして頂けたら幸いです。
お読みくださいまして、ありがとうございました。
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いえすたいる編集部
のぶりん
鉄道・飛行機・旅行の大好きな「のぶりん」です! 住宅の省エネや申請等に携わっています! 工務店の魅力を広くお伝えできるよう日々頑張ってまいります!